2016年01月17日

振り返れば忘れてる

今回はRememoriedというゲームを紹介しようと思います。

パッと見のスクリーンショットからも奇妙さが際だっている事がありありと分かると思いますが、その予想通り、非常に不可思議な世界観であり、ここのサイトでもよく紹介している所謂「雰囲気ゲー」、「ウォーキングシュミレーター」と呼ばれるタイプに属するゲームになります。
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このゲーム、Unityを使って個人で制作されているのですが、最近このような個人制作のゲームが増えてきました。昔からインディーズではこの形態は少なからずあったでしょうが、「個人でないと成立しないであろう、極めてプライベート色が強いゲーム」というのが目立ってきたように思います。
レベルデザインツールが高度になるにつれ、こうしたプライベート色が強いゲームでも、一定のクオリティを保ちつつ、独自の世界観を構築出来るようになったため、今後もこうしたゲームが増えていくのではないかと思われます。


Rememoriedは、「Dear Esther」や「Proteus」に影響を受けて制作された、という事からも分かるように、基本的には前に進んでいくだけのゲームです。
所々で英語のナレーションが入りますが、攻略にはあまり支障はないでしょう。
一応夢の中、という設定なようですが、それにしても今までにない世界観です。真っ暗なフィールドの中にチカチカと細かな物が浮遊しており、さながら宇宙空間にでもいるような感覚に襲われます。

Rememoried Trailer from Rememoried on Vimeo.



このゲームでは、忘却、というのがテーマにあるそうです。記憶していた物を忘れることによって、前に進んでいくコンセプトになっているらしく、それがゲームプレイにも大きく関わってきます。

どういう事かというと、このゲーム、視点をそらして元に戻すと、さっきまであった風景が微妙に変化してしまうのです。
例えば、空中に浮遊している岩の足場が、視点をそらす度に配置が変わってしまうため、丁度良い位置に来てる時を見計らって先に進む事が要求されたりするわけです。
つまり、さっきまでと違う風景になってしまう=さっきの風景は忘れた、という事らしいです。

基本的にこの仕様がそこかしこに使われているため、行き場が無くなり、あれ、どう進んだら良いんだ? と思ったら、一旦グルっと周囲を見渡してみると、急に道が開ける、なんてことはザラにあります。
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それ以外では、あっちこっち動いていたらなんか勝手に次のステージに飛んだりといった、偶然クリアしたのか、勝手に進むようになってたのかがイマイチ分かりづらい場面もあったりしたので、全体的にどうゲームを進めていったら良いのか分かりにくいという側面はあります。
基本的に明確なヒントが無いので、場面によってはふん詰まる人はいそうですね。やってる内に大体分かるとは思うのですが。

あと、意外とアクション性を求める部分があり、結構ジャンプアクションを求められます。
あまり理不尽な物はありませんが、それなりに求められることは確かなので、ステージによってはちょっとイラッとすることも。
先のステージで、永遠にも思える長い歯車の道を通らねばならないのは地味に大変でした。いやらしいことに真ん中に穴があいてるので、スポッと落ちたりするんですよねえ。
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ボリュームもそんなには無いので、2〜3時間でクリア出来るでしょう。
アクション性などもあるとはいえ、かつて紹介したProteusにもコンセプトは似ていて、とにかくその世界観を楽しむことが目的のゲームであるため、通常のゲームで得られるような楽しさを本ゲームに求めるのはナンセンスと言えます。

こういったプライベート色の強い実験的な雰囲気ゲーの台頭に、難色を示すゲーマーも少なからずいるかと思いますが、個人的には全然アリだと思っています。
The Beginner's Guideの記事の時も書いたのですが、個人の日記に近い物になりつつあるため、悪く言えば自己満足とも呼べる物ではあります。しかし、従来のゲームでは到底作られることのない世界を堪能できるのはこうしたゲームならではであり、私はそういった内面性を大きく反映された世界にはとても興味がありますね。

Rememoriedは世界観の構築では結構洗練されている部類であり、細かく見ると、良くできていることが分かります。
最初のステージで空を見上げると、夜空に何やら不規則な線が見えたのですが、実はこれ、プレーヤーが歩いた軌跡だったりするんですよね。
別に攻略には全く関係がないし、知ってても何の意味もない情報なんだけど、こういった不可思議なこだわりが随所にあり、こういう些細で詩的な物にはグッと来る物があります。
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ちょっと変わったゲームプレイで独自性もありますが、ただやっぱり、万人に薦められるかというと、こればっかりはどうしても雰囲気ゲーに免疫のある方のみ、という事になってしまうかもしれません。
非常に独創的な世界観がウリですが、逆にその世界がずっと続いてしまうため、最終的には飽きる懸念もあります。
多少アクション性もあるので、その辺も少し弊害になりそう。

過去に比べてこういったゲームはある程度理解されつつあると思ってはいるのですが、それでもまだ非ゲームに近いノリなので、それを理解した上で購入を検討しましょう。

RememoriedはSteamなどで購入可能です。

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ただ、こういったゲームが増えると、いずれ飽食気味になって、よっぽどの物でない限り新鮮見はなくなる可能性はありますね。
ただ人間の発想という物は無限大なので、ツールの機能発展に合わせ、斜め上を行く世界がまた今後も出てくるのだろうと思います。



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2015年12月27日

君の作品を理解出来るのは僕だけだ

The Beginner's Guide」というゲームを購入しました。
このゲーム、以前ブログでも紹介したことのある「Stanley Prable」の作者による次回作、という事で、結構気になっていた作品です。
幸いなことに結構早くに日本語MODが登場したため、Stanley Prable同様に言語依存の高い本ゲームを楽しむ事が出来るようになりました。ありがたいことです。
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前作Stanley Prableは、意図したルートを全然通ろうとしないプレイヤーをナレーター(ゲーム開発者)が呆れて先導しようとする、という非常にメタチックかつ奇妙なアイデアが光るゲームになっていましたが、今回も結構それに近い、ゲームデザイナー視点の奇妙なゲームになっています。

制作期間が結構短かったらしく、実際内容としては小振りなショート作品と言って良いでしょう。早い人なら一時間程度で終わる内容ですし、いわゆる雰囲気ゲー、ウォーキングシミュレーター系のゲームですので、そんなにゲーム性が濃い訳でもなく、Dear Estherとかに近い物だと思って構わないと思います。


さて、ではThe Beginner's Guideとはどんなゲームなのか? というと非常に説明に困ります。
作者の友人が作ったゲーム作品群を紹介する、という体で始まるため、いわばこのゲームは、とあるアーティストの作った作品集を、コメンタリ解説付きでプレイしていく、という趣向のゲーム、と言ったところでしょうか。

ここで紹介される作品というのが結構奇っ怪な物が多いため、一見すると、何これ?みたいな印象を受けるのですけど、先に包むにつれ、彼の作品にある兆候が見え始めて・・・・というストーリーになっており、私個人は結構引き込まれてしまいました。
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stanley prableに比べると、分岐やお遊び要素もほとんど無いためゲーム性が低く、まだ前作の方が面白かった、という声も散見されますが、本ゲームで語られている内容に関しては、前作よりずっと心に刺さる物があったように個人的には思います。

その内容に関して詳しく語ってしまうとネタバレに繋がってしまうため、言及できないのが残念ですが、まあいってみればセミ・ドキュメンタリーのような手法で作られており、その何か曖昧な感じが非常に不可思議な体験をもたらすものになっています。

元々ゲーム制作者側視点で語られているような内容であるため、個人的にはゲーム開発に携わっている人間には是非プレイして欲しいと思うゲームです。
もちろん、そうでない人たちにもお勧めです。実際の所、ここで語られている内容はゲームに限らず、映画でも漫画や絵画でも音楽でも、エンターテインメント全てに共通する普遍的なことを言っていると思うので、何かしら心に響く物があるのではないでしょうか。
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The Beginner's Guideは現在Steamにて購入可能です。
年末セール中でワンコイン価格並になっているので、買うなら今がチャンスですよ。

なお、日本語MODを入れている場合、希にクラッシュすることがあるようです。私も特定のチャプターで起こりました。
クラッシュによりゲームが進められなくなった場合、ビデオオプションで画面のアスペクト比を変更すると解決するようです。
例えば16:10を16:9に変更するなど。


で、本ゲームは物語が中心のゲームなので、感想を書こうとするとどうしてもネタバレに繋がってしまうので、割と短くまとまってしまいましたね・・。
というわけで、これ以降は考察等、ネタバレ全快で行きますので未プレイの方はご注意ください。


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2015年11月22日

ブレイクされたらたまったものではない

最近夢中でやってたゲームがあります。
Introversion Softwareが制作したPrison ArchitectというSLGです。
長らく早期アクセス状態で中々完成しなかった本作ですが、最近になってようやく正式版としてリリースされました。
合わせて日本語化MODも完成したため、ようやくプレイする事が可能になったわけです。


Introversion SoftwareといえばDarwiniaDefconと言った、英国産の一風変わったSLG系のゲーム会社として有名です。
特にDefconはちょっと皮肉めいた部分が見え隠れする、いかにも「英国らしい」感じがするゲームでしたが、今回も一筋縄ではいきません。
今回シュミレートに選ばれた世界は、どういうわけだか刑務所。
そう、今回のゲームは囚人を収容する監獄が舞台。プレイヤーは刑務所の所長となって、次々やってくる囚人を収容しながら、刑務所自体を設計・管理し、運営していかねばなりません。
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ゲームは2D画面で表示され、キャラクターもシンプルで可愛らしくまとまっているので、一見凄くポップなゲームに見えます。実際の所監獄なんですけどね・・・。
なんでわざわざ刑務所なんかを題材に選んだのかが気になってしまってしょうがないのですけど、まあそれは置いとくとして。


ゲームを始めるといきなり何もないサンドボックス状態から始まるのでどうすればいいんだってなりますけど、まずはメニューからキャンペーンをプレイするのが良いと思います。
キャンペーンはゲームをしていく上でのチュートリアルも兼ねているので、基本的なルールを全て学べるのでオススメです。
もし言語が英語のままなら、オプションからMODを選択し、そこから日本語MODを適応するだけで日本語化終了です。


キャンペーンをプレイすると、いきなり囚人を死刑にするための死刑室を作らされるプレーヤー。
このゲームの場合、部屋の大きさや形の部分から自分で好きなように作ることが出来ます。そのため、刑務所のデザインはシムシティで街を作っていく並に自由度が高いです。

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キャンペーンでは一応ストーリーも語られていきます。
囚人が何の罪を犯してここに来たのかを知り、ポップな絵柄とは裏腹に嫌でも非常にシビアな現実を突きつけられる事になります。
このストーリー展開は見事で、結構引き込まれるようになっています。キャンペーンが進むと、とんでもない事になってきますが。

詳しくは自分の目で確かめてほしいのですが、刑務所内で暴動が勃発したりする訳です。
刑務所の警備員だけでは対処できなくなった場合、特殊部隊を動員して沈静化しなければなりません。
こうなるとSLGからRTSみたいなゲームに変貌。
監視カメラも警備員もやられてしまうと刑務所内の様子が伺い知れなくなるので、慎重に索敵しながら部隊を突入させるのですが、やり方を誤るとお互いに死者が続出し、死屍累々状態に・・・。
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暴動といった事態はキャンペーンの演出という訳ではなく、普通のプレイでも起こりうるアクシデントです。まあこんな状態にするまで刑務所を悪化させるのは相当な事ですけど、色んなシチュエーションがしっかり再現されてて感心します。

キャンペーンも最後の方になると、ノルマ達成のために、新地に最初から刑務所を建てねばならなくなります。もうこうなってくるとサンドボックスと同じですね。ここまで来れば、ゲームのやり方はほぼマスター出来ていることでしょう。


このゲーム、面白いことに予定地という機能があって、建物や部屋をリフォームする前に地面に直接ラフな設計図を描いて、どういう風に建てるかを模索する事が出来ます。
建物の建設は維持費はかからないものの当然建設費は発生するため、うっかり間違えて建ててしまうと、作り直しが発生して余計な出費がかさんでしまいます。
それをなるべく防ぐ名目でこの機能があり、実際失敗が減ります。
ちょとした建築家になった気分に浸れる上、便利なので是非活用しましょう。
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ちなみに独房を作った場合、外の世界に自由に行き来が出来ては駄目なので、必ずどこがしかに鉄格子等のドアを設置して脱出不可にしなければなりません。
私は最初、共同房を作ったときに、ちゃんと外界から密閉させたのに密閉出来てないと警告が出てしまって、一体どこに抜け穴があるんだと悩んでしまいましたが、実は共同房の隣にシャワールームを併設させていたため、これで密閉されてないと判断されてしまっていたようです。シャワールームとの間にもドアを作って仕切れば解決しました。
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とはいえ密閉しようが脱獄される可能性があるため、設計をよく考えるだけでなく、刑務所の外周警備、監視カメラなどの設置も重要になってきます。


このゲームは自由に刑務所をデザインするのが醍醐味ですが、それだけでなく、各キャラクターがちゃんと仕事をし、それぞれの役割にならって勝手に動き回るのも見ていて楽しいポイントです。
警備員は与えられた場所や巡回ルートを廻り、掃除係は刑務所の隅々を回って掃除をするし、囚人達も自由時間には各自勝手に動き回ります。
給食の時間前になるとキッチンでシェフ達が慌ただしく食事を作り始め、やがて囚人達が一斉に食堂に集まって来て各自食事を取り、給食の時間が終わると皆一斉に帰って行く一連の流れは見ていて思わず和んでしまいます。・・監獄なんだけど(爆)。
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鉄格子は警備員しか開けられないため、通れなくてにっちもさっちも行かないキャラが出てきますが、そうすると最寄りの警備員が駆け寄ってきて、ちゃんと開けてくれるのとか、とにかく芸が細かくて見てて飽きません。


ただ囚人達の不満が溜まって限界を超えると、諍い事や暴動が起きやすくなり、トラブルが耐えなくなってきます。
報告書を見て常に状態をチェックし、囚人達のイライラをなるべく抑えるようにする必要があるのです。
とはいえここは監獄、イラつく場所なのは当然だろがい、と武力行使に死刑上等で抑え付けるのも自由です。

私はなるべく穏便に済ませたいので、教育プログラムを実施し、更生への道を開かせる方向へやっていこうかと。

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キャンペーンの自由制作で、現状こんな感じです。実はこれ巨大な一つの建造物に見えて、各施設は個別の建物なんですよね。廊下は外扱いになってて、単純に壁で仕切ってるだけ。
突貫工事で適当にやってたらこんな感じになってしまった。まあいいか。セキュリティ的にどうなのか知らないですが・・・。

たぶんこのままいくと明らかに独房の数が足らなくなるので、土地を拡張する必要に迫られるかも。
土地を拡張する事によって、もっと巨大な刑務所を建てることが可能になってきますが、そうなると大幅なリフォームも視野に入ってくるので中々悩ましく、裏を返せば楽しいですね。


なお、エキストラに脱獄モードというのがあり、プレーヤーが逆に囚人になって、刑務所から脱出するというゲームまで存在します。
これは他プレイヤーが作った刑務所を読み込んで、そこから脱獄すれば良いという物ですが、中々面白い試みですね。当然、自分自身が作った刑務所も脱獄モードで楽しむことが出来るので、一粒で二度おいしいゲームになってます。
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なお、他プレイヤーの刑務所マップを読み込むには、脱獄モード(Steam Workshop)からPrison ArchitectのWorkshopを開くを選択、好みのマップを探して、サブスクライブすれば、リストに上がるようになります。

他プレーヤーのマップを見てみると、とんでもなく広大な監獄の姿にビックリします。そしてでかすぎるが故にセーブが重い。これはこのゲームの宿命というか弱点かも。何しろ全キャラクターが自由に動いてるんですからねえ。仕方ない気もします。


シム系のゲームが好きな人には俄然オススメ出来るゲームですし、自由に箱庭を作れる楽しさもあるので面白いです。刑務所という、ちょっとひねくれた舞台設定に躊躇してしまう人もいそうですが、かなり真面目にシュミレートしているゲームですので、一見の価値はあると思います。

STEAMにて購入する際、色々選択肢がありますが、スタンダードで問題ないです。残りは他のゲームとのパックや、アートやサントラを含めたコレクション用のやつなので。あとは囚人達に自由に名前をつけることが出来るName in Gameというのがありますが、それだけで値段が倍になるのがネック。DLCで後々加えることも出来るので、セールを狙うのはありかも。

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それにしても、Introversion Softwareは毎回、斜め上を行く設定のゲームを作って目が離せませんね。
Darwiniaは可愛らしい世界観だったんだけど、どんどん暗い方向に向かっていますな。
まあIntroversion(内向的)ならしょうがないか・・・(え




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2015年10月11日

きっと大ベルリン計画も遂行されたのだろう

ちょっと今週は更新できないかもと思ってたけど、何とか時間が空いたので、ちゃっちゃとやっときますか。
最近チマチマとゆっくりプレイしていたのが、「Wolfenstein: The New Order」で、ようやくクリア出来たので感想とかかいておきます。
Wolfenstein(ウルフェンシュタイン)といえば、あのidソフトウェアから出ていたFPSゲームの元祖とも言うべきゲームです。
本ゲームは今まで何度かリメイクされていますが、今回もそんな作品の一つですね。
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元々オリジナルの「Wolfenstein 3D」は第二次世界大戦当時、ナチスに捕らえられた主人公が、恐ろしい人体実験を繰り返しているウルフェンシュタイン城から脱出を図るという内容で、まあ要するにDOOMに内容もゲーム性も似ているので、まさにDOOMの前身にあたるゲームと言っても差し支えないかもしれません。

オリジナルの元祖は確か3DO版をプレイしたのが最初。2001年リメイクのReturn to Castle Wolfensteinもプレイしたことありますが、遙か忘却の彼方、というか途中で止めてしまったような気がします。
その後2009年にも「Wolfenstein」として新たにリメイクされてますが、これはそもそもプレイすらしてません。日本語版は出なかったし、今はSTEAMのラインナップから諸事情でなくなっちゃってるし、どうにもなりませんし。

で、今回の「The New Order」は、その2009年版の後日談というか続編、という形をとった内容だったみたいです。シリーズを通して主人公であるB.J.Blazkowiczが、恐ろしい化学兵器で世界を征服してしまったナチスを相手に孤軍奮闘するという「IF」な物語です。
思わず映画「アイアン・スカイ」を思い出しちゃうけど、まああの手の世界観ですわね。

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前作をプレイしてないので何とも言えませんが、前回で倒し損ねたナチスのマッド・サイエンティスト「デスヘッド」打倒に主人公達が再び向かうという所から始まります。


それにしても、元祖、そして2001年のリメイク版と見比べたとき、本当にメチャメチャ進化したよなあ、と圧巻の一言です。2001年の時でさえ、「あのWolfensteinが凄くリアルになってる」って思ってたのに、今見ると「しょぼい・・・」て感じてしまうとは、今後「The New Order」もそう思ってしまう時が来るのかと思うと末恐ろしいです。
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ゲームとしては、主人公や舞台背景こそシリーズの世界観を保っていますが、もはや冠だけ背負った全くの別物といっても過言ではありません。
なにしろ、密閉されたWolfenstein城の中を敵を倒しながら進むという内容はあくまで一部で、空中戦、地上戦、海の中、挙げ句の果ては月面基地にまで舞台はめまぐるしく変わり、とにかくバラエティに富んだ内容になっていて、さながら超大作ハリウッド映画でも見たような気分です。

ただ、FPSという部分に関しては、まさにオールドスクールな撃ちまくりランボータイプのゲームであり、かなり爽快感があるので、まったく不満はありません。むしろ、このゲーム性でこんなハリウッド大作級のゲームは、到底日本で作られることは不可能だよなあ、とため息が出るばかりです。

しかし、撃ちまくりのゲームとはいえ割とシビアではあります。不用意に突っ込んだりすると、あちこちから撃たれて蜂の巣にされ、結構あっさりとやられてしまうので。
このゲームは壁などを利用してカバーリングしながら撃つのが基本で、これさえきっちり行っていれば、そんなに難しくないでしょう。
ただ、敵がいつのまにか回り込んで来て後方から撃たれたりするので常に注意が必要です。
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特に重装甲の兵士は高火力の武器を持っているので、数発食らっただけで憤死に追い込まれることも多く、いきがって前に出ると危険。
グレネードなどで動きを止めつつ、ヒットアンドアウェイで確実に倒す必要があります。

充電式の武器も手に入り、後半は殆ど弾薬切れの心配が無くなるのでとにかく撃ちまくれるのですけど、不用意に前に出ることは出来ない絶妙なバランスになっていると思います。
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場面によっては、なるべく敵に勘づかれないように進むステルス系のステージもあったりします。これは、どこかにいる司令官クラスの兵士を気づかれないように倒せば、増援を呼ばれずに簡単に制圧できる、というもの。途中で誰かに発見されると、増援を呼ばれて失敗、後は全部なぎ払うしかないランボーステージに変貌します。

私は最初、ナイフでそろりと後方に近づき、一人ずつ仕留めていくしかないと思ってめちゃくちゃ苦労しました。というかこれだとどうしても司令官までたどり着けず、結局増援呼ばれて全員撃ちまくって殺すという事になりがち。
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後から気づいたんですが、サイレンサーを付けたピストルで撃っても全然OKで、そのやり方にしたらあっけないほど簡単になりました(笑)。
他のステルスゲームと違って、死体を発見されたら失敗とか、そこまでシビアじゃないんで。
あれですな、Dishonoredをやりすぎて、ついついそんな気分でやってしまってたんですな・・・。

難易度はノーマルを選択してたんですが、個人的に割と難しい、と思うレベルでした。
多分そう思えた理由のひとつに、任意セーブ出来ない仕様というのがあります。あくまで自動セーブのみなため、そのステージを良い感じで攻略できたとしても、最後の最後でしくじると最初からやり直し、という事になってしまうわけです。

しかも結構手前まで戻される場合も多く、「え、そこからやり直し?」というのは良くありました。
PCオンリーではなくマルチプラットフォーム故の仕様で、最近はこのパターンが多くなって困ります。まあ総じて相応な難易度だったとは思いますが、流石に難易度選択を間違えた、と思ったら途中からでも自由に難易度を変えられるシステムになっているので、その辺は融通が利いていると思いました。
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そんな風に結構やり直す羽目になる仕様だった事もあって、クリアまでにはそこそこ時間がかかり、そうじゃなくとも全体的に中々のボリュームだったので、かなり濃密なゲームだったと感じました。しかも途中からルート分岐も存在するという。
もっともこれ、ストーリーの一部が若干変わるだけという物で、ステージや展開が大幅に変わるというような大それた物ではないですが、強いて言えば主人公のアップグレード要素が変わるので、その辺の違いは大きくあります。
なので無理に両ルートをプレイする必要はないっちゃないです。

でも、個人的に2週目をやりたくなる感じだったので、今別ルートを選択して2週目をプレイ中です。まあそれくらい面白かったと言うことですね。
流石に2週目はサクサクっとやりたかったので難易度はイージーで。この難易度だと、バリバリと面白いように敵を倒せるようになるので、単純に爽快感やランボープレイという意味ではこっちの難易度の方が良いかも。
あたしそこまで凄腕プレーヤーじゃ無いんでね・・。
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あとこのゲーム、元祖のゲームになぞらえている事もあるのか、割と隠し要素が多めです。中でも、ある場所で発生する「悪夢」には笑ってしまいました。
なぜなら、元祖のWolfenstein 3Dをまんまゲーム内で再現しているからです。
武器やプレイヤーの挙動は変わらないけど、わざわざ敵をスプライト表示してるとか、相当こだわりを感じます。
ただこれ、やられるかクリアすると終わってしまい、もう再チャレンジ出来ないっぽいので、その辺は要注意です。
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STEAMで購入可能で完全日本語化されており(基本吹き替えですがドイツ語部分はオリジナルと合わせて字幕仕様)、その事もあって定価は割と高めに設定されちゃってますが、まあSTEAMの事なのでセールを狙えば半額以下で買えるチャンスがあるので、欲しいけど高いと思う人はセールを狙いましょう。
あとPS4版とかでも出てますしね。


個人的には大満足の一本で、非常に良くできた大作です。一体どんだけ制作に時間かかってるんだとため息。
唯一不満を上げるとするならば、ストーリーですかね、あの終わり方は、ちょっと欲求不満を抱えるものでしたし、そもそも○○とは直接的な対決をしないまま終わってしまいましたからね。
となるとまだ続編を考えてるんでしょうか?(というか、単純にモラル的な問題かな)

実は既に、本ゲームの前日譚にあたるゲーム「THe Old Blood」がリリースされてます。まあDLC扱いのゲームで良かったはずですが、単体リリースされてるみたいですね。
とりあえず個人的には遅かれ早かれ購入決定です。

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そういやせっかくナチスを題材にしたんだから、もう少し新古典主義な建築物を出しても良かった気もするけど、ずっとそれだと飽きちゃうし仕方ないかもね。所々でそういうのは出てくるから、まあそれで妥協しとこう(笑)





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2015年08月09日

「絶対押すなよ」をロボットがくみ取ることは出来るのか

久々の更新ですね。色々忙しかったりするので、仕方ないですが、まあこうしてポチポチ進めていきます。

The Talos Principle(タロスの原理)をプレイ、クリアしました。
という訳で今回はこのゲームの感想です。
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タロスの原理は、シリアスサムで有名なCroteamが制作した一人称のパズル系ゲームで、要は「Portal」シリーズのようなものだと思えば分かりやすいでしょう。

シリアスサムは、お馬鹿なノリの痛快なFPSゲームでしたが、今回のタロスの原理をプレイすると、良い意味で裏切られます。なぜなら今回は、変なジョークなど微塵もない、至って真面目な内容のゲームに仕上がっているからです。

とはいえ、シリアスサム3と同じゲームエンジンを使っているだけに、そこかしこにシリアスサムっぽさを感じることが出来ます。インターフェイスはまんま同じだし、お馴染みのエジプトステージもありますし。
しかし、シリアスサム3はどうもテクスチャもライティングも大雑把な印象を受けて、お世辞にもあまり綺麗とは言い難い仕上がりでした。

しかし今回のタロスの原理は美しい仕上がりで、世界観も良く作り込まれていたと思います。相変わらずだだっ広いフィールドなので、どっかからわらわらと敵がなだれ込んで来るんじゃないかとヒヤヒヤします(笑)。
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まあ当然そんな事は無くて、プレイヤーは武器を持つことはありません。それどころか、Portalの「ポータルガン」みたいな銃を持つことすら無いのです。


ゲームが始まると、いきなりプレイヤーの手が出てきますが、よく見ると機械の手です。Hキーを押すことでサードパーソン視点に切り替えることが出来るのですが、それを見ると完全にロボットであることが分かります。
どうやら仮想空間の中で、自ら思考して動くことが出来るプログラム、という事のようですが。
エロヒムという、この場所を管理しているAIに導かれ、数々のパズルを解いていくことになります。この辺の流れはほとんどPortalとそっくりです。
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こうなると、ただのPortal劣化コピーなんじゃないのか、と思われる方もいるかもしれませんが、決して劣化なゲームではありません。非常に良くできており、なによりパズルの構成が見事で、やってて面白いです。
ゲームによってはパズルがただただ苦痛なだけの事もあるのですが、タロスの原理は簡単すぎず、難し過ぎず、良い案配のパズルが揃っており、非常に理にかなった謎解きであるため、分かったときに「なるほど」と何度も唸ってしまいます。
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パズルは、各部屋に置かれている「印章」というピースを集めることを目的としていますが、シールドだったり、あるいは攻撃してくる警備BOTだったりが守っているため簡単には手に入りません。それらを、部屋の中に存在するアイテムを使って無効化し、攻略していくのです。

ジャマーという、機能を無効化する機械を使って封じたり、あるいはコネクタという機械を使って、レーザーをしかるべき所まで繋いでロックを解除したりと様々あり、これらは先に進む毎に種類が増えていき、組み合わせによってどんどん複雑なパズルへと変貌していきます。

一定の印章を集めると、新たなエリアへの道が開けます。しかし、そのためには、集めた印章を使ってタングラム式のようなパズルを解かねばなりません。実は集めている印章はパズルピースなんですね。
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また、要所要所にPC端末が設置されていて、アクセスすると、アーカイブ観閲や、同じく端末からアクセスしている何者かとやりとりする事が出来ます。これはストーリーに大きく関わる事であり、ただでさえ謎の多い本ゲームを紐解く上でかなり重要な部分です。

ありがたいことに完全日本語対応のゲームなので、この辺は心配ないゲームです。当初は誤訳や適当な訳でかなりわかりずらい物だったようですが、現在は改変されて、ほとんど違和感は無くなっています。
時折分かりづらいニュアンスや、文字切れの不具合などがまだ見られますが、元々哲学的な文章や言葉が多いので、仕方ないかもしれません。
それと、アーカイブが破損しているという設定のためか、殆どのテキストの一部が文字化けしちゃってますしね。
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この端末によるやりとりは非常に興味深く、こちらが出したアクションに対してちゃんとリアクションがあるので、やってて面白かったです。単純な紙芝居選択のありきたりシステムなんだけど、シンプルなチャットみたいに敢えてしているところが斬新だったのかも。

このやりとりや、各ステージにの壁などに記されているメッセージを読むと、ここは私一人ではなく、沢山の同胞が同じくパズルを解くために右往左往していた事が読み取れます。子孫と言ったニュアンスが出てくるのでみんな同列コピーされた分身なのかもしれませんが。


ストーリー的には、次々印章を集めて、「永遠の命」を得る扉を開く、というのが目標とされるのですが、エロヒムが、「塔には決して登るな」と釘を刺してくるのが、なんともあざとらしいほどに怪しい(笑)。
神殿と呼ばれるパズルステージの外に塔はあるのですが、これまたこれ見よがしにそびえ立ってるので、完全に誘ってるよね?と言いたくなるのですが、これを無視して進むか、敢えて登るかは、プレーヤーに委ねられています。
まあ、どのみち、塔に登るためにはそれなりの印章が必要なので、簡単には登れないのですが・・・。
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先に進むにつれ、パズルの難易度が上がるため、そう簡単には攻略できなくなってきます。そこで救済処置として、序言をもらうことが出来る祭壇が各部屋に設置されていますが、困ったことに、普通にやっても大した答えは返ってきません。
実は、ある程度攻略すると入室が許される庭園があるのですが、ここのパズルを解くことで、かつてパズルを解いていた先人達の知恵を借りる事が出来、ここで始めて序言を貰うことが出来るようになるのです。

ただし、庭園は各神殿に一つずつあるのですが、一つの庭園につき一回しか序言を貰えません。つまり、合計で3回しかないのです。非常に貴重なので、使うときはよく考えましょう。
それにしても、この庭園のパズルは例の印章パズルなので、結構辛いですね・・・。運が良ければサクっと解けることもあるのですが、ロツボにはまることも・・・。


序言を2回使ったものの(残り一回は無駄に使ってしまった)、何とか自力でクリアしました。マルチエンデシングで、恐らくバッドエンド、グッドエンドの両方を見たと思うのですが、ストーリーはある程度把握したものの、相変わらず謎が多いままでちょっとモヤモヤしました。
これは2周しないとよく分からないかな? でもまたあのパズル群をやると思うと、中々・・。


なお、通常の印章とは別の、星の印章を全て集めることで、新たなエリアを解放し、通常のエンディングとは別の結末を見ることが出来るので、極めるなら集めたいところなのですが・・・。
各エリアに幾つも隠されている星の印章を集めるのは、シークレット扱いな為よっぽどパズルゲーム慣れしていないと隠し場所を発見することすらおぼつきません。

「そんなの分かるわけ無いわ・・・」的超難解なものばかりなので、自力で全てを見つけるのは、ほぼ無理といって良いレベルです。私も自力で見つけることが出来たのはたった6個。
正直なところ、これで見ることが出来る結末は付随的な内容の物なので、真のエンディングとかそういう物でもないため、無理に集める必要は無いというスタンスと考えて良いです。
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まあどうしても集めたい場合は、STEAMのコミュニティガイドに動画も上がってるので、それを参考にすると良いでしょう。私もこのガイドを参考に残りの星を集めました。
見ると分かるのですが、ステージをまたいでレーザーをつなげたりとか、「そんなんアリか」の連続なので、自力で解けなくとも、何も恥じることはないと思います。
ただ、これらの動画を参考にしてると、もはや自分の脳がそういう解き方も考慮して思考しだしている事に気づいて、末恐ろしく感じました(笑)


Portalの影響化によるゲームなのは間違いないので、そこをどう評価するかによるのでしょうか、ゲームとしては非常に優れており、独特のSF設定も魅力的なので、先が知りたくてどんどん進んでしまいます。そういう意味では、久々に夢中でプレイしたゲームですね。
Portalを嬉々としてプレイした人なら間違いなくオススメですし、アクション性は多少あるとはいえ、気楽に出来るよう配慮されている(ジャンプアクションに補正があって失敗することが少ない)ので、アクションが苦手な人でも気兼ねなくプレイ出来ると思います。
ks_talos9.jpg

デモもあるので、まずはそこからプレイしてみると良いと思いますよ。
タロスの原理」は、現在STEAMにて購入可能です。




最後に、クリアした上でのネタバレを含んだ軽い感想を書いておきます。そのため、まだ未クリアな方は、ご注意ください。
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posted by KS(Koumei Satou) at 22:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | PCゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする