2014年03月09日

本気で住もうと画策した時期もありました

体調が芳しくなくて最近病院に通う事が多くなり、絶賛絶不調中の私ですが、そんな中、最近チマチマと何か作っておりました。
なにぶん近頃めっきり創作活動をしてこなかったので、リハビリ的な気持ちもあって気軽に作っていたのですが、なんだかんだで夢中になるといういつものパターン。

で、今作ってるのがコレです。
ks_capsule1.jpg

分からない人にはサッパリ分からない代物ですが、これは日本国内に実際にある建物の中をSketchUPを使ってCGで再現したものです。
その建物は「中銀カプセルタワービル」。

知ってる人には極めてメジャーな建物とはいえ、興味ない人には一生縁がないかも知れないこの題材、なんであえてコレなのかって、
そりゃ私がこの手のモダン建築が好きだから、以外に理由はないんですけども、急に思い立って軽い気持ちで再現を始めました。

中銀カプセルタワービルは、日本の著名な建築家である黒川紀章によって考案され、メタボリズムという当時の日本の建築界でムーブメントとなっていた構想を元に立てられた最初の建築物とされています。



建物の外観からいって丸い窓にブロックを積み上げたような奇妙な構造が、何とも異空間を醸し出しています。
中銀カプセルタワービルは実はマンションで、各ブロックはそれぞれ宿泊できるワンルームの小部屋になっています。

この部屋がユニットのように独立しており、実は後から付け外し出来るようになっているのが、このタワービルの一番の特徴です。

メタボリズムなんて言うと、今では小腹の出たような状態しか連想できなくなっているでしょうが、そもそも新陳代謝という意味合いがあり、新しい物に取って変える、という考え方を反映した都市作りを目指したのがメタボリズム運動であり、このカプセルタワービルもその考え方をならい、古くなったらユニットを交換して新しくする、という構想からそのようなデザインになっているわけです。



部屋(カプセル)がユニット化しているため、ワンルームマンションというより、そのままカプセルホテル並みの狭さの部屋です。
実際の所、ここで永住する事を想定したデザインではなく、一時的なオフィスや、別荘的な隠れ家、セカンドハウス的な使われ方が相応しい部屋ですが、今でも入居者がおり根強い人気を誇っています。

その理由はやはり70年代のSFを想起させる旧未来的デザインと、極限のミニマムを追求した引き算の美学が、人を惹きつけて止まないのでしょう。勿論私もその一人。
結局一度も間近で見たことは無いんですけどね(爆)。

ただ、せっかくメタボリズムという構想をかかげながら建てられたにも関わらず、カプセルユニットは建てられてから一度も取り変えられていないそうです。
結局、取り替えるとなるとクレーンを使って取り外し作業を行わねばならないため、その工程は決してお手軽な物ではなかったのかもしれません。

もう築40年以上は経っているためあちこち老朽化し、アスベスト使用の問題もあり、一時は取り壊しが決定してましたが、その話すら頓挫し、今もズルズルと宙を浮いたような状態が続いてるみたいです。幸か不幸かそのおかげで今でもカプセルを現役で借りることが可能なようですが。
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で、そんな紆余曲折ある建物を今回再現してみた訳ですが、今回はカプセルユニットのみ。タワーそのものを再現する事にはハナから挑戦する気はありませんでした。ま、全体像がどうなってるのか詳しく知らないってのもありますし。
勿論カプセル内がどうなってるかも知らないんですけど、幸い沢山の写真が巷に溢れているので、それらを参考にして、騙し騙し組み上げてみました。

サクっと軽い気持ちで作ってるから、まだ正直未完成ですね・・。オーディオユニットの所は要作り直し。あとバスユニット内部も今回は省略してます。
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結局一度も交換されることが無かったカプセルタワー。では、現状で、それらの構想がうまく機能する建物を作るとしたらどんなのが良いのだろうか? と、いう事は考えてしまいます。
そこで、別に私は建築家でも何でもないけど、素人考え並みに色々妄想してみました。まあ思考ゲームですね。
今回カプセルを再現したのは、実はこんな事をやってみたかったから、なんですけど。


とりあえずタワー状にしてしまうと、明らかに交換が面倒くさい手順になりそうなので、2階建てが限度と仮定しました。
カプセルの底面に車輪を付け、電車のようにレール上を移動できる構造にします。
これで、取り外しの運搬が簡単に出来るようになった、はず。

2階建てだと窓から見える景色が低くてそっけないと思われるので、高台に建てれば、そこそこ見栄えは良くなるかな、という考えを元に、坂の上に配置。


で、そんな子供みたいな発想を元に作ってみた結果がこれ。
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一応中銀タワーのデザインを元に、ブロックを並べるように配置。
後部には建物を作らず、あえて向き出し。そうしないと、交換するのが面倒くさくなるので、機能重視で。
交換の際はレールの上をスライドして後方に持っていって取り外す、というやり方。
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一階のカプセルは交換の際、奥にスライドさせるだけだけど、2階のカプセルの場合は、横にスライドする専用の運搬レールに載せて、上下するレールの所まで移動させるという、結構手の込んだ事をやってます。でもこれならクレーンとかを使わずに交換可能。

んーでもクレーン使った方が早くね? という感もなきにしもあらず。
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そもそもどうやって後方に引っぱるのか?という事に気づいてしまった。まあ車輪が付いてるならどうにか方法はありそうだけども。
所詮思考ゲームなんで突っこみだしたらキリないけど、カプセルの有効活用法がなにかないかって考えるのは中々楽しい。

今回の発想は、立体駐車場みたいなことで、カプセルを車に見立ててるんだけど、その考え方を煮詰めれば、もっと多層なタワーでいけるかもしれない。今回はハナから2階建てで構想しちゃったけど、タワーでいくならどうするかも考えてみようかしらん。

んー、時間があれば、だけども・・・・。




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2011年05月15日

あまりに巨大すぎて四苦八苦

イワン・レオニドフの「重工業省」コンペ案の立体化プロジェクト、結構時間かかりましたが、とりあえず完成したので公開します。
ks_leonidov_1.jpg
もっとも、この手の物はどの段階で完成とするかは完全に個人次第、本当はもっとテクスチャをそれらしい物にカスタマイズするとか色々やりようはあるんですけど、正直私の力量ではこれ以上いじくりようがないというか、不本意ながらもこれで完成とみなすしかないというか・・。
それでも一時はエラー連発で公開出来るかどうかも危うかった本作、一応出来上がっただけでも良しとして自分を慰めたい所ですが、まあ自分にモデリングやマテリアル作成の技術があればなあ、と痛い程思い知らされました。

とりあえずイワン・レオニドフとは何ぞや、立体化プロジェクトとは何ぞや、という方は以前の記事を参照して経緯を理解していただくとして、今回の作品について一応概要を。

今回のMOD作品はイワン・レオニドフの「重工業省」コンペ案の立体化という名目で作られたため、MODという形式を取ってはいますが決してゲームでは無いのでその辺はご了承下さい。あくまで、実際に建てられることの無かった幻の建築物を眺めて楽しむ事が目的のMODです。
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このMODを遊ぶためには、VALVE社が提供している「Half-Life2 エピソード2(Orange Box)」が必要です。その点はご注意下さい。なお無印Half-Life2ではマトモに動きません。
詳しい導入の仕方についてはReadme_jp.txtを参照して下さい。

マップは2つあって、最初に建設予定地の説明、その後重工業省のマップに入ります。
マップ内にある看板に近づくと、進行ルートを表示させる事が出来ます。これはこの建物の構造をよく知らない人のための物で、どうやって建物内を巡回すればいいのかの道標です。ちょっとわかりにくい構造をしてますので。

んで、ファイル自体はFireStrageに置いておきましたので、以下からダウンロードして下さい。
(ATTENTION:This is not a game!)

Visionary_Architecture_01.zip


本当に建物内を歩き回るだけのマップ、しかも超マニアックなレオニドフの建築物って事で、正直誰得?な感じの内容なんでこれといって今後大々的に発表はしません。MODDBにも登録予定は無し。
当初は建築に詳しい人達に向かってアピールしようかとも考えてましたが、どうもあまり歓迎されてないっぽい感を肌で感じてしまったので、それもやめました(結局の所、私の再現能力の力不足が起因してるのは明らか)。当面はここだけでひっそりと公開するにとどめます。
それに現状でこの手のファイルを置くサーバーとかを用意できないので、フリーで置けるオンラインストレージとかでアップするしか術がない事もあり、永遠に置いておくことが出来ない関係上期間限定のアップという事になってしまいます。ここ、しばらく放っておくと削除されてしまうようですので。
その後、再アップするかどうかについては未定です。どっか確保出来ればそこでアップするとは思いますが。


で、今回のマップ、以前の記事でも書きましたが、正直無理がありすぎました。あまりにもマップが巨大だったため、エラー連発で四苦八苦。結局、Full Visによるコンパイルを断念し、Fast Visの段階でアップするという妥協を余儀なくされました。しかも、それでもHDRが導入する事が出来ない位ギリギリ。
本来Fast Visでアップするなんてのは、マップ製作においてやっちゃいけない御法度行為なんですけど、こればっかりはどうしようもありませんでした。

いや、厳密にはやりようによってはFull Vis通るんですよ。でもそれが通ったとしても、今度はRAD処理の方が止まってしまう。そこでRADが通るように出来る限り空いている空間をSKYBOXで埋めるという荒技で対処。これで何とかHDRは無理としてもエラーで止まることは無くなったんですが、今度は逆にこうしてしまうとFull Visでコンパイルした際、SKYBOXで埋めた箇所が描画されなくなり、建物が穴だらけで表示されてしまうという副作用が発生してしまいました。
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なので色々検討した結果、Fast Visで留めるしかない、という結論に達した訳です。しかしそれでもエラースレスレのマップには違いなく、ちょっと変更を加えただけでコンパイルがふん詰まるという事は日常茶飯事、挙げ句の果ては何も変更を加えてないのに再コンパイルしたらエラーで通らないとか「さっきまでちゃんと通ってたのに何で?」てな気まぐれ現象まで起きる始末でした。

そんなこんなで何とか完成までこぎ着けましたが、今度何か作るならもっと規模の小さい物を作ろうと思案中です。で、一応次回作として「ダンテウム」の再現を予定していますが、まあ正直誰得プロジェクトなため、はたして本当に着手するかどうかはちょい未定です。
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2011年02月13日

べ、別に設計ミスしてる訳じゃないんだからね

ネットとかを巡ってると、たまに「え、この奇妙な建物なに? どこに存在するの? というかそれ以前に実在する建物なわけ?」というような写真に出くわすことがあります。世界には本当に様々な建築物が存在するわけで、私達がまだ知らないような不思議な建物はたくさんあります。でもその建物を見るためだけに海外旅行に行くなんて行動力は私には無いし、そもそも存在してるのかどうかもわからない訳ですし。

しかし現在はネットが普及したおかげでその辺は割と調べやすくなり、しかも今はGoogleマップという強力な地図が登場したおかげで、自宅に居ながらにしてちょっとしたプチ旅行気分を味わえてしまうようになってしまいました。そこで今回はGoogleマップのストリートビューやYoutubeを駆使して世界のユニーク建築巡りをやってみようかと思います。

まずはアメリカ、ケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学内の建物Stata Center
最初この建物の写真を見たときはコラージュかなにかと疑いましたね。
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しかしこれを手がけたのはフランク・O・ゲーリー、建築家としては有名で、とにかくこの人の手掛ける建物はどれもみなウネウネと曲がりくねった不可思議な形状の物ばかりです。しかしこの建物はその中でも際だっていて、子供の妄想をそのまま具現化したような、ある意味で無茶苦茶なデザインをしています。

Googleマップで見る

まるで押しつぶされたかの如くグチャグチャになった形状は絵本とかの背景に出てきそうな雰囲気。しかしこんな奇怪なデザインで耐久性やバランスとかその辺は大丈夫なのかと心配になりますが、勿論精密な設計を元に作られているのでぬかりはないようです。突飛なデザインだったら誰でも発想出来るけど、それを具現化出来るかといったらそうも行かない訳で、それを可能にするからこそ著名な建築家だって事ですね。
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それにしてもこれは子供とかが喜びそうなデザインですよね。あ、というか倒壊しかかった欠陥建築にしか見えないかな、子供達にとっちゃ。大学内の建物なので子供達とは無縁な建築物なのは勿体ない感じはあるけど、でも大学のキャンパス内にあるっていうのは通っている学生達にとってはとても印象に残るだろうから刺激にはなりそうですね。まあ毎日見てたら何とも思わなくなってしまうかもしれないけど(笑)。


フランク・O・ゲーリーの建築物は他にもたくさん存在するのでウィキを頼りに捜してみてはどうでしょう。でも、ラズベガスにもこういった建物があるというのでGoogleマップで調べてみたところ、当時はまだ作っている途中だったらしく、ストリートビューには建設中の写真でしか載ってない、なんてな事はありましたけどね。この辺はGoogleマップの盲点ではありますな。


さて、こちらの建物も最初見たときは単純にコンセプトデザインかと思ってました。カナダにあるOntario College of Art and Design(OCAD)という、これまた美術系の大学の建物のようですね。
巨大な長方形のオブジェクトが、カラフルな柱に支えられて建物の上に乗っかているかのようなデザイン。これは別に飾りでもなんでもなく、れっきとした建物で内部もちゃんと有るようです。しかしこれどうやってここまで行けるんだろうと思ったけど、よく見ると下の建物と赤いスロープのような物で繋がってますね。
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Googleマップで見る

ニュース系のサイトで取り上げられた事もあるユニーク建築なので見たことがある人もいるかもしれません。でも写真コラージュが本物と殆ど見分けが付かなくなってしまった今の時代、はたしてそれが本当に存在するのかどうかはちょっと疑わしくなってしまいましたよね。そう思ったらこうしてGoogleマップで確かめて存在を確認するのが手でしょう。Googleが信用に値するのか、なんてツッコミが来そうだけど(爆)まあそれはともかく。


結構有名なポータル系サイトが、単なるコンセプトデザインの完成予想図をまるで本当に存在するかのように記事で書いていた事もあったので、多少は疑った方が良いですよ。最近はこういった予想図も極めて巧妙に作られるので一見偽物に見えないんですよね。


こちらは我がサイトでも一度取り上げたことがあるCOOP HIMMELB(L)AUによる作品。この人達も極めて不思議な形状の建物を幾つも造っています。これはアメリカはオハイオ州にあるアクロン美術館。シンプルな図形の断片が複雑に絡み合って構成されたかのような奇妙なデザイン。フランク・O・ゲーリーの作品のように一見グチャグチャな形状に見えますが、ゲーリーのウネウネした建物とは違って、かなり直線的で鋭利なイメージがありますね。
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Googleマップで見る

実はこの隣に古風な建物が並んで建っているので、そのギャップが凄くて、全体からしてかなり浮いています。本当は他に何も無い場所に建ってる方が映えるデザインのような気がしますね。


もうひとつヒンメルブラウが手掛けた美術館がオランダにあるフローニンゲン美術館。こちらもヒンメルブラウの特徴である、鋭利なソリッドデザインが複雑に絡み合ったようなデザインをしており、かなり顕著ですね。なんかもうこうなってくると何かの手違いで崩れてしまったんじゃないかと心配になるくらいです。もっと別のアングルから拝みたかったですが、川沿いにあるので中々近くに道路が通ってなくて見えなかったです。残念。まあ捜せば写真はたくさん出てきますので各自それで補完して下さい。
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Googleマップで見る

皆さんもこうしてGoogleマップを活用して気になる建築物や変わった建築物を探してみてはどうでしょうか。ただまあ、前述もしたように写真のタイミングが建設前の物のままだったり、あるいはそれ以前にその地域がストリートビューに対応してなかったりとかいう場合も往々にしてあったりしますけどね。今回色々捜してみて、意外とストリートビューってまだ一部の地域に限られてるんだな、という事を思いました。
例えばウクライナに存在するというGOSPROM(工業省)という建築物は実際にこの目で見てみたい建物の一つですけど、残念ながらこの付近はストリートビュー化されてなくて写真を拝むことは出来ませんでしたしね。

このGOSPROMは非常に古い建物ですが、凄く格好良い建物ですよ。公園をぐるっと取り囲むように半円状に建物が並び、壮大なシンメトリーを構成しています。公園の中心から見たらその荘厳な容姿を遺憾なく堪能出来そうですね。当時のアヴァンギャルド建築の息吹が垣間見える美しい建物だと思います。
ただ先程も言ったように、ストリートビュー化されてないので、取り敢えずはGoogleマップに関連づけされてる投稿写真などで拝むしかないようですね。まあ後はネットを巡ればそこそこ写真は出ては来ますが。例えばここのサイトとか。

Googleマップで見る

あと一応動画は見つけたので貼っときます。ロシア語で何言ってるのかさっぱり分からないけど、駅からGOSPROMに向かって歩いていく動画のようです。4分を過ぎた辺りから建物が見えてきます。手振れがヒドイのが難点ですけど。



個人情報の侵害だ、と色々賛否両論あるストリートビュー機能ですが、こういった事に関しては非常に活躍してくれてますね。ただまあ、これでプチ旅行した気分になれるとはいえ、所詮は写真を眺めてるだけ、実際に現物を見るのとは比べようがありません。それでも、「ああ、本当に今でも実在するんだ」という多少なりの確信を得られたのは結構な収穫なのだとは思います。



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posted by KS(Koumei Satou) at 21:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月19日

そうだ、柱を見に行こう

レオニドフの「重工業省」の立体化プロジェクトは着々と進んでいて、ようやく3つのタワーを建てた所まで来ました。しかしここまで来るのに既にエラーを出しまくって、やり直しの連続。まだまだ先は長いというのにこの時点で既に綱渡り常態で正直大丈夫かという感じですが、まあ出来るトコまでやるとしましょう。
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今回はあまりにも対象の構造物が馬鹿デカ過ぎたので、ちょっとその辺は反省点ですね。今度また何か作る際はもっとコンパクトに収まった建物にターゲットを絞る事にしますか。
で、どんなのがいいだろうと考えていて、既にルドゥーの建物は一度作っちゃってるからこれは取り敢えず外すとして、何がいいだろうか・・・。メーリニコフ、サンテリア・・?うーん結構どれもデカイ建物が多いな。コロンブス記念塔とかよさげ・・・だけと、意外と中の構造が複雑で大変そう・・。
そんな中候補にあがったのが、イタリアのDANTEUM(ダンテウム)。
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これはイタリアがムッソリーニの支配下にあった時に構想された建築物で、思いっきりプロパガンダ戦略で生まれた構造物だったようですけど、ダンテの「神曲」をモチーフにした建物で、その中に出てくる天国や地獄といったパートをそのまま部屋で表現したものだったようです。
記念碑の意味合いが強い建物なので、住居ではなくあくまでパビリオンとしての建物です。2階建てで形はシンプルな長方形。
ダンテ神曲による地獄、煉獄、天国がそれぞれの区画で表現され、来訪者はそれぞれの部屋を順繰りに巡ることになります。
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地獄や天国と言っても直接的な描写では表現せず、円柱の群れ等の幾何学的なデザインでこれらを表現するという、極めてモダンなやり方だったようですね。
勿論このダンテウムは構想だけで終わり、結局建てられる事は無かったのですが、美しいデザインだっただけに今でも根強い人気がある「実現していない建物」のひとつです。
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よっしゃ、レオニドフの方の決着が付いたら、次はこれにしよう・・・と思って早速色々資料を集め始めたら、小さな模型や、CGを作成している人を幾人か発見。やっぱコンパクトな建物だけに再現しようと思っている人は結構居るのね、というのが分かってきました。
そもそもプロのクリエーターが展示のためにCGを制作したりもしてるんで、今更私が作ってもアレかねえ、と思い始めた所にダメ押しの一手。

既に3D空間で再現しちゃってる人が居ましたね。しかもちゃんと中を歩けるようになってる。
これのためのフリーの専用ソフトとモデルデータを入れると、あのダンテウムの中を自由に巡回出来てしまうというなかなか素晴らしいソフト。早速取り入れて中を歩いてみました。
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グラフィックはそんなに凝った物では無いですけど、日の光の表現とかしっかり出来ていて、なかなか美しいです。
入り口付近の円柱群。ダンテウムはとにかく柱、柱、柱のオンパレードで、この連続性が魅力でもあります。何の彩色も施されていないこのシンプルさがかえって美しいんです。
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ダンテの神曲「地獄編」をモチーフにした区画。円柱の数は少ないものの、先程の明るい日射しの中の世界とは対照的に、明かりも最小限でどんよりとした空気感に包まれています。これって日射しを一部取り入れる事で中を照らしているんでしょうかね? 見たところ照明は使われてないっぽいですが。
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そして2階に広がるのは天国の間。こちらはまた一転、天窓で覆われたこの区画は非常に明るい空気感に。しかも円柱は全てガラス製で、陽の光を浴びて美しく輝いています。この3DCG空間では限界がありますが、実際にあったら反射光とか凄まじい事になってメチャメチャ綺麗なんじゃないでしょうか。
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なーんだ、もうこんなクオリティの高い物があったのか、これで既に満足出来ちゃったじゃない(笑)。やっぱり私が作る意味はもう無いって事かな。
んーでも、HL2のHDR空間で表現したら結構綺麗なんじゃないか・・・という期待もありますな。しかし作るなら最低でもこのクオリティに迫る物を造らなあかんワケですか・・・。ハードル上がっちゃたなあ。でも内部構造はこれのおかげで細部まで理解できたので、今後非常に参考になると思うけども。

まあ今はともかくレオニドフの方をなんとかせねば。ダメで元々、とにかく八方塞がりになるまで続けるとしましょう。


で、ちなみにこのダンテウムの立体CGはこちらのサイトからダウンロード出来ます。
downloadのリンクが2つあるので、そのどちらもゲットしときます。(Magda0.06.zip、Danteum.zip)
ZIPを解凍し、Danteum.zipから出てきたarchiveとmodelsのフォルダを、magda0.06のフォルダ内にコピーします。後はMagda0.06.exeを起動すればツールが起動し、自動的にモデルが読み込まれます。読み込みはちょいと時間がかかるので辛抱良く待って下さい。なお移動の仕方は一般的なFPSと同じです。

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posted by KS(Koumei Satou) at 22:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月12日

ゲームの中なら見上げられる

なんか急に思い立って、レオニドフの「重工業省」コンペ案をSource SDKを使って再現したくなり、ちょっと立体的に作ってみたんですが、早くも挫折しそう(笑)
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いきなりレオニドフとか言っても殆どの人は何のことやらさっぱり、でしょうが、1920〜30年代のロシアで活躍した、有名な建築家の一人です。
イワン・レオニドフは当時のアバンギャルドと言われた新鋭的な建築ムーブメントの中でも重要な役割を担った人で、実際に建てられた図案はほとんどないものの、様々な意味において革新的な影響力を与えた人物です。

まあ分かったような口ぶりですが、当時ロシアで起こった構成主義などを代表するアバンギャルドについて、正直私もそんなに詳しい訳ではないです。学歴無いし建築を学んだ訳でもないですし。
しかし、そんな無学のドシロウトの私でさえ、明らかに惹きつける魅力がレオニドフにはありました。それは、彼の図案がもう図面というより完全にグラフィカル・アートだったからです。
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アバンギャルド・ムーブメントの中で、しばしばこうした表現は見受けられましたが、その中でもレオニドフの図案は徹底して洗練されていました。
一見図面には見えないモダンアートのような設計図、シンプルで幾何学的な造形、こんな物が90年近くも前の、しかもロシアで考案されていたとは驚きです。

わざわざ白黒逆転させた配色もそうですが、そもそも建物やそれらの構造物の配置の仕方と言い、飾り気が無いのに妙な美しさがあります。
当時のアバンギャルド建築を支えていた建築家の殆どはかなり複雑な形状をした物を考案しているのですが、レオニドフは潔いくらいにシンプルな物が多くて、それはかなり近未来的なデザインを連想させるものだったのです。
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ただ、彼の構想はどちらかというと「こういう感じの物はどうだろう」的な、かなり漠然とした案が多く、そんなに細部まで考えて作られた図案はあまり無かったようです。その事もあるのか、彼の作品は高い評価を受けつつも殆ど具現化してない訳ですが、1934年に行われた重工業省のためのコンペテションにおいて、珍しく彼は非常に具体的な構造をぶつけてきたのです。

それが彼の作品の中でも最も有名で重要な構想である、例の「重工業省コンペ案」です。
一見するとなんとも不可思議な建物です。シンプルな長方形のタワー、それに寄り添うように円柱形のタワーがそびえ立ち、影に隠れて見えませんがさらにその後ろに三角形をしたタワーが建っています。
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タワーにはアンテナのようなオブジェクトが天に向かって幾つも付いており、部品がむき出しになっているかのような錯覚を覚えます。空高くそびえ立つタワーとは対照的に、その周りには遮る建造物が殆ど無く、広い公園と階段が周りを覆っています。この凄まじいほどの緩急の付け方はいかにもレオニドフが好みそうなデザインですね。

コンペテションでは他の様々な建築家も図案を持ち寄って、最終的に誰のが一番相応しいのかを決めるのですが、当時殆どの建築家が新古典主義的な、どことなく古風な側面も見受けられるデザインをおこしていたのに比べると、レオニドフのコンペ案はかなり奇抜で近未来的でした。超高層ビルなんてものは今や珍しくはないでしょうが、1930年代のロシアにおいてはかなり革新的なデザインに見えたはずです。
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しかし、これほどまで力を入れた図案も結局は採用されず、そればかりか誰の図案が採用されたのかという発表もなされぬまま、重工業省建築のプロジュクトはお流れになってしまったようです。


ks_leonidov4.jpgこのレオニドフの重工業省の図案を私が最初見たときには、実はそんなに衝撃は受けなかったのです。しかしてっぺんのアンテナのデザインとか、結構面白いデザインだなー、とそのうち思い始め、そしてレオニドフ自身が描いたタワーの完成予想図の一枚を見てハッとさせられました。純粋に格好良いと思ったのです。幾何学的なタワーが3つも連なってそびえ立つ様は実に壮観なんだろうなー、と思いを馳せるに至りました。


ならせっかくSource-SDKでレベルデザインやってるんだから、いっそのことHammerで重工業省作って見りゃいいじゃない、と急に思い立って始めてみたって訳ですね。
以前私はMOD内でルドゥーの建築図案を2つ実際に作って見せたのですが、それ以来久々に「具現化しなかった構造物」の再現にチャレンジした事になります。今回はゲームの場面に使うとか、MODに利用するとか、そういう事は一切考えて無く、純粋にレオニドフの建築図案を立体化してみたかった、という理由だけですので、MOD構想中という訳ではないのであしからず。

しかし、始めてすぐさま壁にぶち当っちゃいました。いやはや、もうこの建物がとにかくハンパなくデカ過ぎる。Sourceエンジンはそもそも巨大なフィールドがあまり得意じゃないので、実はこういった巨大構造物の再現には向いてないかもしれんのですよね。
シンプルな構造ならまだ大丈夫なんですけど、そもそも巨大な建物作ると、テクスチャの大きさも半端なく大量に面を使用することになるので、パッチ数がとんでもない事になってます。おかげでRad処理がすぐに音を上げてふんづまってしまったので、テクスチャの圧縮率を下げたりとか色々対策をする羽目に。しかしそれでもHDRのRADが通らない。むぐー、すでに許容範囲オーバーなのか?

しかしまだこれで3つあるタワーの内2つしか作ってないし。あと1個タワーを追加しなきゃならないし、そもそも地面の公園となってる部分はまだ全然未着手。この段階ですでにアップアップで大丈夫なのか?って感じです。正直今回はスチール作成だけで、実際に中を歩けるようにするのは難しいかもしれないなあ・・・。


まあそんなこんなでわずか5、6時間で作った結果がコレ。まだ全然未完ですが、とりあえずメインタワーのデティ−ルは出来上がったかな。色彩は当然ハッキリ決まってないので適当、というか想像です。
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とりあえず今後もチマチマ作って完成までこぎ着けようかとは思ってますが、結局エラーでコンパイル出来ず断念って可能性もありますな・・・。まあせめてスチールを撮れるくらいまでにはしたいですけど・・。
しかし歩き回れるように作れたとしても、下部の構造がどうなってるのか図面だけではちょっとイマイチはっきりしてないんですよね。結構いい加減に適当に作っちゃう事になるかも。
まあそれとどのみちタワーの内部構造までは再現不可です。多分エンジン的に無理だし、そもそも図案としてあまり残ってないので。
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しかしレベルデザインで建物作りは本当に没頭してしまい、何時間でもやってしまいがちになるので制御しなきゃ。他にも色々やることあるし。漫画も描かなきゃだし。しかし漫画は集中力が1時間も持続しないのに、エライ違いだわ。本当に好きなんだな、私・・。
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ちなみにイワン・レオニドフの作品集って洋書で一冊出てるんですが、今じゃプレミア価格で値段がバカ高くてかないません。私が買ったときは1万円以下だったけどなあ。多分アマゾンのマーケットプレイス価格は完全に足下を見られた額なので、もう少し安く売ってくれる所をググった方がいいかもしれません。私が買ったのはRizzoli社が出版した英語版です。
なお、日本の本ではロシア・アバンギャルド建築という本で詳細に語られてる他、図面も結構載ってますけど、小さい上に潰れ気味の印刷なのが残念。でもまあ、入門としてはいいですかね。私は小難しすぎて全然読めてないけど・・・(爆)。


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posted by KS(Koumei Satou) at 23:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする