2019年12月29日

どうでもいいけどあなたずっと寝てましたよ

今回はSuperliminalというゲームを紹介します。
このゲーム、今になって思えば確か遙か以前に何かの今後発売予定の記事で見つけ、「なんか面白そう」みたいなテキトーな感想を思った記憶が蘇りましたが、まあそれくらい月日が経ってしまったことですっかり忘れていた案件でした。
ks_superliminal1.jpg

なにしろ開発に6年以上の歳月がかかっているらしいので、そりゃ忘れるよな、という事なんですが、しかしてそれだけかかって作った本ゲームは如何ような出来なのか。それをレビューしていこうと思います。

ここ最近紹介した「Manifold Garden」も、開発に7年近くかかっていたゲームでしたが、奇しくも両者は似たようなテーマを持ったゲームであり、それの販売時期が重なったのは何かの宿命的因果を勘繰ってしまいますが、しかしてその共通点とは「目の錯覚」の事です。
ちなみに本ゲームもEpic Gamesが先行販売しており、最初から公式で日本語化されています。


Superliminalは、夢の中でその人物の精神的治療を行うというSF的ストーリーを持って始まります。
夢の中なので、何が起きても不思議じゃない世界、実際、目の錯覚的現象が頻発することになります。
これを説明するのは困難なので何はともあれトレイラーを見て欲しいのですが、掴んだオブジェクトは「遠近法」を無視して存在しており、遠くにあろうが近くにあろうが大きさが変化しません。

その事によって、なんとも不可思議な現象が起こります。持ち方や見かたによって、掴んだ物が大きくなったり小さくなったりしてしまうのです。

この奇妙な法則を利用し、パズルを解いていきます。要するに目の錯覚を利用したパズルゲームなのですが、このゲームは正直その枠内に収まるようなタイプのゲームじゃありません。それは後述。
ks_superliminal2.jpg

一体、これらのパズル解きが精神治療の何の役に立つんだろうという若干の懸念を抱きながら進んでいく中、まるでPortalのGLaDOSを彷彿とさせるアナウンスもやたら小難しい事を言うばかりで要領を得ません。
そうこうする中、パズルの内容も、「目の錯覚」を利用した様々なパターンが提示され、見るものを飽きさせません。
というか、どんどん常軌を逸したような世界観になっていきます。

これ以上言うとネタバレになってしまうため詳しくは語れませんが、まあ大体察する所の「何かよからぬ事態」が発生し、本来と意図した物とは若干のズレが生じてきます。
ks_superliminal3.jpg

それにより目の錯覚と「精神状態が不安定」との境目が曖昧になり、このゲームにおける目の錯覚と言うイリュージョンが説得力を持って存在していく事になります。

要するにただ面白いからそういう目の錯覚を並べた、という安易な物では無く、不安定な精神状態によって引き起こされている可能性がある、という事を示唆し、そういう理由があってこその目の錯覚現象である、という理由づけにしている点は見事だと思いました。

実際その事により、これでもかと様々なシチュエーションと見せ方でトリックアート的なアトラクション体験をさせてくれる本ゲームは、かなりの驚きと新鮮さをもたらしてくれます。これがVRで体験出来たらもっとすごい事になりそうとはふと思いましたが、それはまた見え方が変わるので大変そうだなあ。
ks_superliminal4.jpg


中盤から後半にかけての展開は、どこかThe Stanley Parableを思わせるような節もあります。実際身も蓋もない言い方をすれば、本ゲームはPortalのような斬新なゲーム性とThe Stanley Parableの持つ人を食ったような展開を足して2で割ったような内容、という事も出来るでしょう。

The Stanley ParableがそもそもPortalから大きく影響を受けているであろうゲームなのでさもありなん、ではあるのですが、どっちにしても、それを聞いてそれだけでワクワクしてしまう人もいるのではないでしょうか。
ks_superliminal5.jpg

特に後半、そのThe Stanley Parable風の雰囲気も相まって怒涛の展開を見せ、畳みかけてくる感じは凄かったです。
それこそ「こちとら開発に6年かかってんじゃおらああああ」という作成者の雄叫びが聞こえるようでした(爆
そんな中でもストーリー的にオチをしっかりつけて綺麗にまとめ上げたのも素晴らしかったです。ゲームとしては約3時間程度の短い体験ですが、非常に充実した3時間を過ごせることは間違いないです。

唯一残念だった、というかケチをつけるとすれば、その怒涛の展開を見せている中でも、割と厄介なパズルが挟まれてくる点で、「あれこれどうすればいいの?」とせっかくのテンポが止まってしまうのが勿体なかったですね。
このゲームのパズルの本質が、「固定観念に囚われていると解けない」という物なので、どうしてもその事に気付くのに時間がかかってしまうわけです。
ks_superliminal6.jpg

まあその事で「うわあ騙されたわ」という目の錯覚体験には繋がるため、決してマイナスばかりでないという事は付け加えておきます。
奇しくも同じテーマを扱ったManifold Gardenとは、全く違うベクトルに進んだゲームで興味深かったですね。
Manifold Gardenは作成者のデザインセンスの延長線上にあるゲームで、その世界観を崩さず、エッシャーというテーマをうまく盛り込んだゲームでしたが、対するSuperliminalは、目の錯覚を利用して世界観を「破壊」することで、新たな体験をもたらそうとしていたように思えます。

そのため、目の錯覚と言う非常に特殊なテーマを、その特殊性ゆえに「特殊」に取り込んだ意欲作、と言えるでしょうか。
要は誰でも分かりやすく「驚く」事が出来るので、まさに万人にもゲーマーにもすべからく遊んで欲しい傑作だと思います。
ks_superliminal7.jpg

そういう意味では、これを他人がプレイしどうリアクションを取るのか非常に興味があるので、これほどゲーム実況に向いているゲームもないのではないか、と個人的に思っているのですが、これは是非沢山のゲーム実況者に遊んで貰いたい所存。
ただし、実際にこれら実況動画を見るのは「絶対に自分が一度体験してから」、にしていただきたい。
これを最初に見て自分の体験としてしまうのは、人生において大変な失態と思えるほどに損することだと思うので、是非とも買ってプレイしてほしいです。お薦めです。



現在SuperliminalはEpicGamesストアにて購入可能です。今ならセールで20%オフでお得ですよ。
なおSteamでは現在カタログには載っていないのでどうなるかは未定です。
ks_superliminal8.jpg


それにしても、ゲーム実況者のLayerQさんが本ゲームをプレイして、例のあのステージにさしかかってやたらビビりまくっていたのは申し訳ないけどめっちゃ笑いました。
このゲーム、本当に目の錯覚と合わせて人を食ったような展開を見せるので、非常に先が読めず楽しませてもらいました。
Qさん的にはたまったもんじゃなかったろうけどw

web拍手 by FC2
posted by KS(Koumei Satou) at 23:30 | Comment(0) | PCゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。