2019年04月07日

デスクトップの有様はその人の生き様そのもの

今回は映画「サーチ(Search)」をレンタルで見たので、その感想を書こうかと思います。
この映画、どこかで予告を見て以来、非常に気になってた映画でした。

とにかく、PCのデスクトップ画面をただひたすら映しているだけで物語が進行していくという非常に斬新な、そしていかにも現在のネットSNS時代を象徴するような内容で、これは凄く面白そうだな、とすぐに思えたからです。
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c 2018 Sony Pictures Worldwide Acquisitions Inc. All Rights Reserved.

ただ、斬新とは言いましたが、これより以前にPC画面を映しているだけでストーリーが進行していく映画と言うのは実はもう既にあって、アンフレンデッドというオカルトホラーが最初と言われてます。
この映画はネトフリで見たのですが、チャットルームに死んだはずの友達のアカウントが入ってきて、次々とおかしなことが起こり始めるという言わば密室ホラー物です。
確かにこの映画の見せ方も凄く斬新と言えば斬新な映画なんですけど、そこで描かれていることは非リアルな内容で、そして密室ホラー映画なら何度も見飽きたような展開そのままなんで、「うん、まーいつものB級ホラーだなあ」程度の感想しか残りませんでした。

で、この「サーチ」ですが、こちらはあるアジア系アメリカ人の家族の物語で、ある日突然娘と連絡が取れなくなってしまった父が、PC上で様々なツールを介して行方を追っていく、というミステリーサスペンスになっています。
なおアジア人家族が主人公ですが、監督はインド系の人で、舞台はアメリカのハリウッド映画です。


とにかくまずこの映画、出だしが秀逸です。
当然この映画も終始PCのデスクトップ画面を見せていくのですが、家族の現在に至るまでのあらすじを、PC上に思い出を残したりスケジュール管理をするという作業を見せることで、しっかり説明しているところが凄い。
何というかもう、マイクロソフトやアップルが「これであなたの人生を紡いでいこう」みたいな感じでCMでやりそうな内容でもあり、「あーあるわーこんな感じ」って思わせるところも面白いですね。
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あとは、音信不通になってしまった娘を心配した父親が、残された娘のPCを手掛かりにあれこれ情報を検索していくという話なのですが、ビデオチャットなどで相手と話すシーンが大半とはいえ、娘の情報を探るため、色々検索したり、娘のFacebook等の履歴をチェックしたりと、色々PC上で作業するシーンも多く、ここが特に面白い、と思えたところでした。

いわば、鍵となりそうなヒントを見つけるまでの過程を追体験で見ているような感覚に近く、それは言ってみればYoutubeでゲーム実況を見ている感覚に近いのかもしれません。
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また、この話では当然誘拐などの可能性もあるので、警察もガッツリ絡む話に発展し、担当刑事と共に事件を追っていくという展開も個人的には斬新に思えました。この手のミステリーサスペンス物になると、怖さを演出するために当事者が単独で乗り込んでいく話になりがちで、それが凄く現実味が薄れる行為なので、そうじゃない展開なのは凄くリアル路線になってて良いと思いました。

そしてミステリーとしての完成度も高く、私は正直オチは読めなかったので非常に楽しめました。徐々に父親が自分の知らない娘の姿などの驚愕の事実を知る過程はよくある展開とは言え、それをSNS等の情報から得るというのも、この映画らしい展開ですね。
また、ニュース映像や、監視カメラ映像などを介して物語を伝える手法も使われていますが、これも一応PC上の動画配信サイトやPCツールから見ている、という体になっており、かろうじてコンセプトから外れないようにはなってます。まあ若干強引ではありますけどね。
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とにかくPC上の画面で展開する物語、という特異性を最大限に発揮した映画で、アンフレンデッドがやり切れていなかった表現をも実に見事にやってのけた映画だと思います。
これはアンフレンデッドにもあった演出ですが、書き込もうとした内容を、一旦考えたのちに削除して入れなおす、というシーンが度々あり、これは「SNSあるある」で誰もがやった事があると思いますが、映画サーチでは、微妙な親子関係をこれを使って表現しており、実に巧みに使ってるな、と思いました。

父親が娘にとても依存してて、ちょっと暴走気味なのは、人によっては若干引いてしまいそうですが、それもまた、映画の展開がどうなってしまうのか、という一抹の不安感に一役買っており、まあ私は自然に見れましたね。
というか父親ならこれくらい取り乱して当然、という感はありますから。
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先にも話しましたが、ミステリーとしての出来も秀逸で、徐々に新事実が明らかになっていく過程や伏線が回収されていくのも見事でしたし、デスクトップ画面のみという展開の割には画面内はめまぐるしく変化があり、全く退屈せずに見ることが出来ました。
なんでも監督はシャマラン監督のファンであるらしいのですが、シャマラン監督とのテイストとは違うでしょうけど、なんか微妙に近い息吹はあるような気はしましたね。

まあとにかく見て損は無い満足度の高い映画でした。非常にお薦めです。
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ところで、ブレア・ウィッチ・プロジェクト等で一躍注目を浴びたPOV方式の撮影法はあっという間に広まりましたが、このPC画面のみの撮影法もまた、そんな新たな演出法として広まるのでしょうか。

流石に見た目の感じがほぼ一緒になるので個性が出しにくく、ちょっと難しいかもしれませんけど、例えばゲーム画面とか、それを中心とした映画とか、なんか成り立ちそうじゃないでしょうか。
オンラインゲームを題材にした作品は結構あるけど、終始そのゲーム画面をそのまんま表現して物語を展開したものはまだないんじゃないですかね。例えばゲーム実況者を主人公にするとか。
もうそうなっていくと、普通にインタラクティブなゲームと境目が無くなってややこしい事になりそうですが・・・・。

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posted by KS(Koumei Satou) at 23:27 | Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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