2017年07月09日

さあ皆さんご一緒に。すうぱあぁぁぁ

FPSゲーム「SUPERHOT」をプレイ、クリアしたので今回はこの話題を取りあげましょうか。
海外のゲーム、およびインディー系のゲームを良くプレイしている人なら、本ゲームの名前やビジュアルを一度は見たことがあると思います。
ks_superhot1.jpg

白と赤という極めて明快かつ単純化されたコントラストの色彩、まるで映画「マトリックス」を髣髴とさせるゲーム性、色々と話題になったゲームで私もすごく気にはなっていました。
旬が過ぎてしまった感のある今更においてようやくプレイしたわけですが、さて、その内容はというと。


「自分が動くときだけ時間が進む」というキャッチコピーがもう、このゲームも全てを言い尽くしたに等しいですね。
何もしていなければ、敵の撃ってくる弾すら止まっているかのように見えます。それを利用して、圧倒的に不利な状況を打破していくのがこのゲームの目的であり魅力です。


敵は真っ赤なマネキンのように表現され、倒すとガラスのように砕け散ります。なんでこんなに象徴的に単純化されてるのか若干気になるところではありますが、元々数日間の内にゲームを完成させるというタイムアタックイベントで開発されたゲームがベースになっているので、時間短縮のために余計な要素を省いたコンセプトをそのまま引き継いでいるわけです。

敵は四方八方から次々現れ、プレイヤーに襲い掛かってきます。ある者は殴りかかろうとし、ある者は銃を撃ってきます。通常ならフルボッコされる危機的状況ですが、「どういうわけか」プレイヤーが止まっている間は時間が非常にゆっくり進むため、マトリックスばりに弾丸を避け、素早く次々と敵をノックアウトすることが可能であり、こうして危機的状況から形勢逆転して全ての敵をなぎ払い先に進んでいくのが本ゲームの醍醐味です。
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ステージをクリアすると、リプレイが通常速度で再生され、実際にはプレイヤーはこんなスーパープレイをしてました、と言わんばかりに「すーぱあほっ」という耳に残るタイトルを連呼する事も相まって、「俺スゲエ」感が出て気分は最高潮に達します。
この辺はうまい演出で、本ゲームの大きなウリの一つになってます。実際、この間に録画機能があり、クラウドに今のプレイを保存して公開することが可能なため、皆も頑張って華麗なプレイをしましょう、と言わんばかりです。
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また個人的に驚いた点として、意外にしっかりストーリーが作られている、という事でしょうか。
非常に単純化されてアイコン化されてしまったゲーム画面をみると、ストーリーは二の次で、あくまでゲーム性に特化した内容のように思えるのですが、ある意味メタチックに「SUPERHOT」なる謎のゲームを主人公たるプレーヤーがプレイすることで、予想だにしなかった事態に巻き込まれていく、という結構意味深なストーリーが実は語られていきます。
それに一役買っているのがメニュー画面で、古いDOS/Vマシンみたいなデザインですが、その中にゲームとは直接関係あるんだか無いんだかよくわからない謎な内容のものも含まれており、それらがご丁寧にキッチリ作られているのが笑えます。

カセットテープで読み込んだかのようなアスキーアートのゲームやチャットルーム閲覧、技術デモみたいなファイルなど、一見無関係のようで少しだけゲームのストーリーに関わっているみたいな物が並んでいて、特にチャットルームは何やら色々と他愛のないやり取りが(勿論疑似的に)行われていくのですけど、こんな所まで良く細かく作ってるよな、と感心します。この辺は正式に日本語化されてることでちゃんと楽しめるようになってるのがありがたいですね。
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ネタバレになるため詳しくは言えませんけど、まあある意味でSF的にはありがちな話かもしれません。個人的には物語が語られるとは思ってなかったのでその時点で驚きではあったのですが、ちょっと話が暗いかなあ、とは思いました。


さて、本ゲーム、確かに普通にプレイしてても何となくスーパープレイを錯覚してしまうような演出が成されているとはいえ、実際の所ゲーム自体は結構難易度が高めに設定されているため、通しで見た際に意外と「チキンプレイになってんなー・・」と反省してしまう場合が往々にしてあります。
その最たる原因の一つは一発でも食らうと即死というルール、そして更に敵が四方八方から攻めてくる四面楚歌状態になるからで、たとえバレットタイム的能力があったとしてもギリギリ、みたいなシビアな設定になっており、何も考えなしにプレイすることが難しいゲームデザインになってしまっています。

そのため、「敵がまず最初にこう来るからここでこうする」、みたいな死に覚えゲー的な攻略になりがちです。
このゲームがFPSというよりかはパズルゲームのようだ、と揶揄されるのはまさにこれが原因なのですが、実際私も結構苦しめられました。
銃は撃っても、当然こちらの弾もゆっくり進むので、敵が動いていた場合到達地点を予想して撃たなければならず、これは結構慣れが必要です。すぐに弾切れになる仕様なので、あまりに銃に固執するとかえって危険ですね。
どちらかというと、一発撃っては次の敵にその銃を投げつけ、ひるんだ所で銃を奪ってさらに一発、みたいなプレイが確実でやりやすく、実際に再生された場合もスーパープレイになりやすいので、それに気づくまでにそこそこかかりました。

それでも、いきなり囲まれて銃を突き付けられた状態で始まったときは「どうすんだこれ・・」と悩みましたね。もちろん解決法は色々あるのですが、この辺はやはりパズルを解いていく感覚に近いといえます。
その分、うまくいった時の達成感は大きいのですが。
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この辺は、なんというかゲームにおけるデザインの課題みたいなものが垣間見えた気がします。
このゲームでは、「動いてる時だけ時間が動く」という、ある意味圧倒的有利な状況下でプレイが可能なわけですが、そこでプレイヤーが期待するのは「無双的スーパープレイ」であり、「俺スゲえ」感を満喫できる点にあります。

実際、SUPERHOTはまさにそんなゲームなのですが、ただそれをそのままやってしまうと単純にヌルイだけのカジュアルゲーになってしまうため、それを避け、本ゲームでは常に四面楚歌な危機的状況に追いやることで、ゲームのバランスを保ち、かつ映画のような形勢逆転劇を演出しているわけです。
しかし、そうしてしまったことで、せっかく圧倒的優位に立っているプレイヤーの立場は、結局敵側と常に拮抗していることになり、ゲームはシビアな難易度になってしまっています。プレイヤーが思い描く俺スゲえ感とはズレが生じ、ある意味本末転倒な結果になってしまっているとも言えます。
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これはこのゲームに限らず、全てのゲームが抱えているジレンマですね。敵を気持ちよく倒せるのは楽しいものの、ヌルくてすぐに飽きてしまう危険があり、かといってそれを恐れるあまり、難しくするとプレイそのものの気持ちよさが損なわれてしまう。
スマフォアプリの「Time Locker」というシューティングゲームは、止まっている間は敵も全て止まる、というコンセプトもデザインも明らかにSUPERHOTの影響を受けているゲームですが、このゲームの場合も、あまりにプレイが簡単になりすぎないようにするための配慮か、しばらく止まっている状態が続くと背後から黒い壁が迫ってきてプレイヤーを追い詰めます。
気持ちはわかるのですが、これではせっかくの「止まっている間は敵も止まる」という圧倒的有利感が薄れ、本家SUPERHOTと同じジレンマを奇しくも抱えてしまっています。

つまり、こういう設定で絶妙なゲームバランスを保つことが如何に難しいかが分かります。これはずっと前からゲーム自体がもつ課題の一つではあるのですが、やはりこのSUPERHOTもその回答を導き出すまでには至っていません。
まあ最初から、高難度なゲームである、ということを肝に銘じておけば、あまり気になる問題ではないのでしょうが、やはりこういった能力にユーザーが期待してしまう内容が、実際のゲームデザインとずれが生じやすいのは確かなので、中々難しい課題ではあります。
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個人的には、ゲームがヌルくなるのを恐れる、というのを止めてみてはどうだろう、と思い切った考えもあったりしますが。それで生じる問題を演出や様々なゲームバリエーションでカバーできるんじゃないのかな、と思ってます。まあそれを容易くできないから問題なのですけどね。


話が脱線しましたが、SUPERHOTは難易度高めとはいえ、独特なルールが面白いことは確かで、プレイする価値は十分あると思います。
ちなみにVR版も出てますね。ゲーム内容はVR用に特化した物に変えられているため、通常版とは別途販売されている形です。
通常版のように動き回ると酔ってしまうので、VR版では基本その場から動かずに敵を倒すようなゲーム性に変わっています。そのため、ルールは同じでも、ステージなどは大幅に違うものとなっています。
その場から動けないのはなんとももどかしいのでマイナスですが、銃を撃ったり、弾を避けたりするのはVR版の方が流石に臨場感があるため甲乙つけがたい印象です。
とりあえず通常版の単なる焼き直しではないため、本編をクリアした人でも楽しめる内容にはなっていると思います。
ただし現状はまだ英語版しかないようですが。


スーパープレイとゲーム難度を両立させようとしたために難しい内容になってしまっていますが、コツをつかめばそれなりに攻略できるようになるため、めげずにトライしましょう。幸い何度やり直してもペナルティもないですからね。
SUPERHOTはSTEAMで購入可能です。あと、PS4なんかにも移植されてます。



ちなみにクリアするとプレイ縛りのチャレンジモードやタイムアタック、エンドレスモードなどがアンロックされますが、個人的にはチャレンジモードの「FULLSTOP」が熱いです。
これ、自分が止まっているときは完全に時間が止まるため、私が想像していたシチュエーションそのままのゲーム内容になっていて興味深かったです。
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ただしその代わり銃に弾は一発しか入ってないうえ、通常時の敵の弾のスピードが早くなっていて、相変わらず難易度は高い、いやむしろ難しくなっちゃってます。
うーん、実はここ、思い切って完全プレイヤー圧倒的有利のゲーム性にしてもよかったんじゃないかなーと思います。クリア後のオマケなんだから、そんなのが一つあっても良いと思うの。
ああ、そうやってバランスを取るのもアリっちゃアリ?



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posted by KS(Koumei Satou) at 22:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | PCゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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