2014年08月10日

アイツなんかより私と契約しなさいよ

そういえばReinhold Wittig氏のゲームの話題、最近してないですね。めっきりボドゲをする機会も無くなってしまったこともありますが、幸か不幸か近頃は欲しいと思えるような新作も出てないようなので買う機会も無くなっている訳ですが。
そうは言ってもとりあえず熱が冷めた訳じゃないです。

過去に買っておきながら、結局未だ紹介してないWittigゲームはまだあったりします。単純に和訳も無いのでプレイすら出来てない何てのが多かったりしますが、和訳もあるのにずっとほったらかしにしてた物も実はあったりするんですよね。
という訳で今回はそんなゲームのひとつを紹介します。


「Doctor Faust(ドクター・ファウスト)」という2人用のボードゲームです。
ちなみにReinhold Wittigって誰?という方は過去記事を参照のほど。

ks_doctorfaust1.jpg
さてこのゲーム、Wittigさんのゲームらしいモノクロのアンティークチックなボード盤に、クリスタルな駒群がとっても雰囲気があって素晴らしいコンポーネント。
オカルティックな臭いがプンプンするデザインですが、それもそのはず、タイトルのファウストというのは聞いたことがある人も多いでしょう。錬金術師だったファウスト博士が悪魔と取引した結果、魂を奪われるという有名な戯曲。

勿論このゲームはその物語をベースにしており、プレーヤーは言わば悪魔側。人間の魂(ファウスト)を奪うため、相手よりも多くの魂を奪い取るのが目的です。

ks_doctorfaust2.jpg
ボード盤は横に妙に長く、1つのマス毎に何やら文章が書かれていますが、恐らくはファウストの戯曲と関係ある事が書かれているんでしょう。まあゲーム自体には影響はありません。
プレイヤーは赤と青の悪魔に別れ、それぞれ2つの駒(デビルストーン)を持っています。もうひとつファウスト博士を表した、美しいクリスタルな魂のピラミッドが置かれてます。
魂のピラミッドは両プレーヤーが動かす事が出来る特殊な駒です。

これらの駒は全てマス内を時計回りに進んでいき、自分のデビルストーンが魂のピラミッドのあるマスに入ると、得点となる魂カードを得られます。これをくり返してより多くの魂カードをゲットすればよい訳です。

これだけなら単純ですが、実際はそう簡単ではありません。
プレーヤーは手番中に毎回7ポイントを得ます。これを使って自分の駒を動かす訳ですが、とにかくこのポイントを全て使い切らなければなりません。つまりどうにかして2つあるデビルストーン、あるいはピラミッドを動かして、7ポイントを使い切る必要があります。

1つの駒で全部消費しても良いですし、あと悪魔カードという、他人を邪魔するカ−ドを任意のマスへ置くことによって消費する事も出来ます(1ポイント消費)。
ks_doctorfaust3.jpg

問題なのは、ポイントを全部使い切った時点で魂のピラミッドのマスに自分のデビルストーンが入ってたら得点を得る、というルールなので、途中のポイント消費中にそういう状態になっても無効だと言うことです。なので、何とかそういう状態で終わらせるよう、ポイントを割り振っていくわけです。
見事ピラミッドに辿り着き得点を得られたなら、そのデビルストーンはもう一つの自分のストーンのあるマスまで移動させられます。これがかなり問題を引き起こすのですが、後述。

当然1つの駒は一度動かしたらまだポイントが残っているからと言って更に移動というのは出来ませんし、悪魔カードも手番中に一枚しか置けません。

で、この悪魔カードというのが厄介な代物。
相手が置いた悪魔カードに自分のストーンが入った時点で幾ら残りのポイントが残っていようと、ポイントは0になりそこで手番が終了してしまいます。(通過しても強制的に止められる)

そしてカードを裏返し、そこに書かれている内容を実行しなければなりません。カードには何マスか進む、後退するの2種類の指令があり、どっちにしても勝手に駒を動かされるため実に鬱陶しいカードです。
ks_doctorfaust4.jpg

この事でなかなか思うように駒を進める事が出来ず、上手い具合にストーンをピラミッドのマスまで持っていくのは容易ではないというわけです。


ただ、魂のピラミッドは両プレーヤーとも動かすことが出来る上、カードも無視するので使いやすい駒です。実は魂のピラミッドがデビルストーンのあるマスに自ら入っていってそこで終了しても、得点は得られます。
しかも、この逆の立場だった場合は、どっちのプレーヤーのストーンであっても関係なく自分に得点が入るためかなりオイシイのです。
これってまるで、人間なんて所詮誘惑に弱い生き物、誘導なんぞ簡単な事よ、という声が聞こえてきそう。

が、ここで前述した、ピラミッドに到達した(あるいは到達させられた)デビルストーンは、もう一方の自分のストーンのあるマスまで移動する、というルールがとんでもない厄災を呼び起こします。

この状態だと、1つのマスに自分のストーンが2つある事になります。もしこの状態で魂のピラミッドがこのマス内で止まると、この時点で強制的にゲームが終了してしまうのです!
ks_doctorfaust5.jpg

しかも、自らの手でこの終了条件を満たしてしまった場合、残りの場に出てない魂カードは全て相手側に渡ってしまいます。
逆に、もし相手側がこの2つ状態になっていて、そこにピラミッドを移動させて終了条件を満たしたのなら、今度は自分に残りのカードを全部貰えます。

まあ要約すればこのルール、自分のストーンが2つとも同じマスに入ってる状態で、相手の手番でピラミッドをそのマスまで移動されられた時点でゲームが即終了する上に、残りの魂カードも全部持ってかれてしまうという悲惨な状況に陥るのです。

ks_doctorfaust6.jpg
例えば上の画像のような状態になった時に、喜び勇んで手前のストーンまでピラミッドを移動、魂カードをゲットしたまでは良かったが・・・。

ks_doctorfaust7.jpg
それによって結果ご覧のような図式になり、自分のストーンが2つ並んだ状態になった時、後方7マス以内にピラミッドがいる状態になっていた・・・となったら即、詰みです。
相手の手番で、そこまでピラミッドを移動させられた時点で、はいゲーム終了。


このゲーム、目先の利益ばかり考えて行動してると、あっと言う間に敗北します。一手一手、良く考えて、変なチョンボを犯してないか先をある程度読んで駒をすすめなくてはなりません。
悪魔カードも良く考えて配置しなければただのゴミになりますし、かえって相手へのアシストにもなりかねないので、考えるべきポイントは結構ありますね。

そういう意味では極めてアブストラクトなゲームと言えますが、ルール自体はシンプルな方なので、チェスや将棋何かよりは遙かにユルメのゲームと言えます。
ks_doctorfaust8.jpg

いかにもWittigさんらしい、ポイント消費、見逃しが命取りになるなどお馴染みのルールが採用されていますが、即終了という地雷が散りばめられている分、中々の緊張感漂う良ゲームになっていると思います。

ただ、ちょっと細かい例外的ルールが多めなのが、全体を把握するまで時間がかかりそうでネックではありますね。
デビルストーンを動かした場合とピラミッドとでは挙動が微妙に違うからややこしいし、得点計算の際、使用しなかった悪魔カードなども点に換算されるが偶数と奇数で細かく違うなど、思わず取り入れ忘れそう。


とはいえ、Wittig氏のアブストラクトゲームとしては中々の佳作だと思います。
ちなみに和訳の方はこちら
残念ながら、というか当然ながら今は絶版なので中々手に入らないのが難。Edition Perlhuhn版も無いみたいなんで、もっぱら中古を捜すしかないのは勿体ないですね。




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posted by KS(Koumei Satou) at 21:40 | Comment(2) | TrackBack(0) | アナログゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近更新頻度がめっきり減って、プライベートのほうが心配です...

お仕事が忙しいそうですが、お体に気を付けてください。
Posted by coela at 2014年09月08日 22:07
>coelaさん

すいませんお返事遅れました。
察しの通り現在ブログ更新が困難な状況が続いており、今月いっぱいは難しそうです。
以前ほどハードワークでは無いんですが、週休一日の日々が続いてしまっているので•••。

来月になれば多分大丈夫だと思うので、申し訳ないですが、それまでお待ちください。
Posted by 佐藤孔盟 at 2014年09月13日 21:41
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