2013年02月24日

失敗だったがそれは偉大だった

飯野賢治氏が若くしてこの世を去りました。42歳。急な事で驚きました。
近年ではあまり表だった活動はしていませんでしたが、かつてはゲームクリエイターとしてTVや雑誌などに積極的に露出していたので、憶えている人も多いかと思います。

彼特有の強気な発言や、挑発的な行動はしばしば物議を醸し、良い意味でも悪い意味でもゲーム業界を象徴するような存在として見られていた節があります。

3DOユーザーだった私としては、この飯野氏には思うところは色々あります。何故なら彼率いるゲームソフトハウスであるワープ社は、積極的に3DO向けのゲームを開発していたからです。
3DOに多大な貢献をしてきた人であり、色んな意味で盛り上げてくれた功績は無視することは出来ません。
ks_3do1.jpg

で、その3DO
世間では完全に失敗機、パナソニックの汚点のひとつとまで言われてしまっているマルチメディア・マシンですが、確かにゲーム競争から早々とパナが撤退する羽目になったのは紛れもない事実。
確かに失敗というのは全く間違ってないのだけど、個人的に3DOは非常にカルトな名機だったと私は思っています。
元々海外産のハードだったという事もあって、洋ゲーが非常に多く、他のフォーマットではまずお目にかかれないようなどマイナーでマニアックなゲームが数多くリリースされてました。


洋ゲー好きだった私としては、これは願ってもないラインナップ。世間的にはストII Xやポリスノーツが話題になってたけど、そんな物には目もくれず(笑)。でも国内のメーカーもその雰囲気につられてか、かなり個性的な物が多かったです。
その中に飯野氏率いるワープも居たわけで。
当初、「チキチキマシン猛レース」で高城剛率いるフューチャー・パイレーツが注目を浴びてましたが、後発のワープが完全にオカブを奪った格好でした。

ワープの「Dの食卓」は、確かに斬新というか、細部まで徹底的にこだわって作ったという制作者の意気込みが感じられるゲームで、内容的にはMYST的シンプルなアドベンチャーだけども、やってて非常に楽しいゲームでしたね。
ある種、雰囲気ゲーとしては当時最高峰のひとつだったと言えるでしょう。
ks_eno2.jpg

ちなみにDの食卓は他機種にも移植されてますが、3DOにはディレクターズカット版もリリースされてます。各場面のリテイクやシーン追加、ビジュアルノベルやテーマ曲のサントラまで入った豪華版です。
何よりパッケージも凄い凝ってました。マニュアルもじゃばら風に折りたたまれていたりと、何というか極めてセンスが尖ってたことが垣間見えます。
ks_eno1.jpg

しかしワープは徹底的にこだわったディテールのゲームとは対照的に、無茶苦茶脱力系の、同人ゲームのようなテイストの物も同時に出しており、こっちがちょっと戸惑うような一面も持ってました。
それを一堂に集めたミニゲーム集である「ショート・ワープ」は、そちら側の集大成です。

でもこれが意外に良く出来てるんですよねえ。落ち物パズルである「マージャリス」や「アニマリス」なんかは今でも充分通用するゲームですし。
当時友人が遊びに来た際、このゲームで遊んだら友人がアニマリスとかを延々と夢中でプレイし続けてしまった、なんてな事もありましたっけ。
ks_eno3.jpg


勿論ワープ以外にも、独特なゲームが色々3DOにはありました。シナジー幾何学の「鉄人」や、過去にここで一度紹介したこともある「スターコントロールII」、奇妙な世界設定の「パーフェクトワールド」等。

鉄人はゲームとしては正直イマイチと言わざるを得ないんですけど、他では味わえない独特の雰囲気がありましたし、スタコンIIやパーフェクトワールドなんかも、凄い面白いんだけど逆にどうして日本語化されたんだろうって不思議に思うくらいマニアックな内容のゲームでしたからね。
ks_3do2.jpg


パーフェクトワールドは、バーチャル空間を舞台にしたアクションFPS。ステージがオープンフィールド的なマップになっていて、この中で自分より強いランクの敵を倒していくことによって、最終的にランク1に君臨する「パーフェクト1」を倒すのが目的。なので、一応RPGに近い内容ではあります。

巨大なレーザーのある「オアシス」では戦闘が禁じられているため、この中では敵達と情報交換することが出来るって言う設定も変わってましたね。ここにはよく中ボス系の敵も居るので、いずれは戦い合う仲なのに彼等と話しあうのは結構シュールでした。
ks_perfectworld1.jpg

かなり人を選ぶタイプのゲームですけど個人的にはかなり面白いと感じ、夢中でプレイしたのを憶えてます。擬似的とはいえ、オープンフィールドなステージも斬新でした。


特に洋ゲーファンでもない3DOユーザーからも絶賛された洋ゲー「リターンファイアー」は結構後発のゲームでしたが、確かに良くできたゲームでした。
戦車やヘリで敵陣に乗り込み、旗を奪って自陣に持ち帰るという、言うなればキャプチャー・ザ・フラッグです。
結構そっけないグラフィックですが、音楽が誰もが聞いたことのあるクラシックの名曲(ワルキューレの騎行やウィリアム・テル序曲など)が使用されてるため、否が応でも気分は最高潮に。
逃げまどう敵兵をプチっと潰すのが不謹慎ながら病みつきになります(爆)。


元々フラッグ戦なだけに対戦モードは特に熱く、2分割画面でお互いに陣地を攻め合うのは混戦必至で面白いですよ。
他機種に移植される話もあったようですが、結局お流れになり、遊べるのは3DOだけです。

他にもブラッドエンジェルスとかも凄く面白かったんだけど、書いてると長くなりそうなんで割愛。いずれ改めてガッツリ紹介したいかも。


こうして個性的で面白いゲームも結構あった3DOでしたが、PSなどに比べると3D表示に弱く、今見るとどうしても動きがカクカクな物が多くて、結構ストレス溜まりますね。たまにちょこっとやるのは良いけど、ガッツリプレイするって気には流石にもうなれないって感じ。
そういう中途半端なスペックもまた、3DOが微妙な評価で終わってしまった要因の1つでしょうね。
当初は3DOタイトルのみこだわって出していたワープも、結局は移植版を出さざるを得なかったというのも、さもありなんというか。

でも未だに電源を入れていつでも遊べるようにスタンバイされてる我が家の3DO。ファミコンやPSにもそれなりに思い入れはありますが、3DOに関してはどだいその入り込みようが違います。
だってこんなマニアックなハード、もう絶対出ることはないでしょうに。

ks_eno4.jpg
そんな3DOに華を添えてくれた飯野氏に、改めて感謝の意を述べたいですね。
ご冥福をお祈りします。




web拍手 by FC2
posted by KS(Koumei Satou) at 22:15 | Comment(2) | TrackBack(0) | TVゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
パーフェクトワールドは正に隠れた名作。ドラゴンタイクーンエッジもそれなりに面白いなのに知名度が低いのは残念。
Posted by bakuDD at 2017年02月06日 01:27
>bakuDDさん

乙です。亀レスすいません。
3DOのみのタイトルはやはり認知度が低いですね。しかもパーフェクトワールドの場合、某映画タイトルと被っているため、検索で全然引っかかりませんしw
今だったら吹き替えの日本語版なんてありえないでしょうね。
Posted by 佐藤孔盟 at 2017年02月13日 02:41
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/331616999
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック