2012年07月15日

動画制作要員を量産したいらしい

VALVEがまた厄介なエディットツールを出してきましたね・・・。
Source Filmmakerは要するにムービー製作用のツールです。VALVEが小出しに公開しているTeam Fortress 2のキャラクター紹介ビデオ等は、実はコレによって制作されていた事が明らかにされ、そしてそれが今回一般に広く公開されることにより、私達もムービーを作れるようになりました。

まだベータ公開とはいえ、今まで公開されていたムービーの事を思えば当然なのですが、普通にCG作品を制作するのと殆ど変わらないくらい本格的な制作ツールであり、頑張ればフルCGの映画すら制作可能というとんでもない代物です。


まあ立ち位置としては今までのHammer EditorによるMOD制作の延長線上にあるものなので、VALVEのゲームを持っていることが大前提、かつ商用利用は不可なんでしょうけど、それでもPortal2のPeTiの件といい、最近のVALVEはMODコミニュティの巻き返しにかなり本気とみえます。

基本がTeam Fortress 2ベースになってるぽいので、TF2を持ってることが大前提ですが、今は無料で提供されているのでSource Filmmakerをインストールすると恐らく一緒にTF2も同梱されてくるのでしょか。私は既持ちだったのでその辺は未確認ですが、少なくともお金はかからないかと。


PeTiが超お手軽マップ制作ツールだったのに対し、Source Filmmaker(以下SFM)はプロが使っている本格ツールなので、正直かなり敷居は高いです。ムービー制作やCGアニメーションの知識が全くない素人がどれだけついてこられるのか正直疑問。

私の場合Flashなどを触った経験からアニメーションの初歩的ノウハウくらいはあるし、だてにPoserなどでCGモデルをいじくってる訳ではないので多少免疫があったとはいえ、未だ分からない事は多く、模索と試行錯誤の日々が続いてます。
ks_sfm1.jpg

今回は、一応私が理解したというか、やり方がある程度解析できた範囲のみに限って多少簡単に解説していこうと思います。無論分かったからといって、それが間違って理解してる可能性も捨てきれないので、まああくまで参考にする程度にして、色々自分でも試行錯誤やチュートリアルを解析する事も当然オススメします。


まずVALVEが動画による基本チュートリアルを公開しているので、序盤だけでも見ておく事をオススメします。英語なので何言ってるか分からないとは言え、感覚的に何をすれば良いのか位はおぼろげに分かるはずですので。

SFMはまずベースとなるフィールド(マップ)を読み込み、そこに動かすモデルを配置してアニメーションを付けることによってムービーを作って行きます。
マップは当然ゲームで実際使用しているマップを基本使うことが出来ます。

マップはViewpoint画面上で右クリックしてLoad Mapを選択することによって読み込みます。
マップ内のカメラを動かしたい場合は右端にあるカメラボタンで作業用のカメラ(Work Camera)を選択するか、あるいはChange Scene Cameraで新しいカメラを配置するかします。

画面上ではマウス左を押しながらWASD,ZXで移動、Rを押しながらで回転、ホイールでズーム、Altを押しながら中心を軸にして回転(あるいは選択パーツを軸にして)。
ks_sfm2.jpg

モデルは画面左上端にあるプラスアイコンでCreate Animeation Set For New Modelを選択して読み込みます。
プレイヤーキャラクターを出したければ大概Playerのカテゴリ内に収まっています。
すると左のAnimation Set Editorにセットしたモデルがツリー上に並びます。ここで各パーツをクリックすることで選択状態に出来ます。
(ただしTF2のキャラに関しては同じ物が2種類用意されてるので注意。player/hwm/というカテゴリにあるキャラが正しい模様。そうでない物は一部パラメータが食い違ってるせいでリップシンクが動かなかったりします。)

パーツ選択は画面上でもCtrlを押しながらで可能です。
ただしこれらの選択は、画面下にあるTimelineでの、Motion EditorモードかGraph Editorモードにしておかないと出来ないので注意。
(通常はClip Editorモード)
ks_sfm8.jpg

パーツを動かすには、Viewpoetの左下にあるアイコン群、Move、Rotate、Screenを使って動かします。Screenは今見ている画面を基本としてパーツを動かせる万能的なモード。左のでっぱりを掴んで中心軸をずらしたり出来ます。ダブルクリックで軸をリセット。


分かりにくいのがMotion EditorモードとGraph Editorモードの存在。実は両方とも動きを付ける事が目的なのでやってる事は同じ。要はやり方が違うってだけの事です。
Graph Editorは、よくアニメーション作りで使われるキーフレーム管理のやり方で、Flashなどでもおなじみ。Mキーで任意の場所にキーフレームを打ち込み、始点と終点を作って動きをつけるやりかた。
ks_sfm3.jpg

かたやMotion Editorは、選択した範囲内で変更した動きを全て適応させるやりかた。デフォルトではクリップ全体を選択済み(緑色)なので、Motion Editorでパーツを動かすと、クリップ全体で変更が反映されるはず。(変更が加えられると選択範囲がオレンジに変わって知らせてくれる)

選択範囲を変更したい場合はシフトキーを押しながらドラッグすればOK。この時、シフトを押しながらホイールを動かすと両端にフェードイン・アウトが付き、選択範囲外のモーションとシームレスに繋ぐことが出来ます。(キーの1234でフェードの仕方を選べる)
逆にそれなしで、バッサリと動きを切り替える事が出来るのもこのモードの特徴。(モデルごと移動するとテレポートしたような感じになる)
ks_sfm4.jpg

Motion Editorではこうして簡単に動きを加えていけますが、一旦選択範囲を消してしまうとそれを再表示とかはできないので、後々付けた動きを微調整しようとすると逆に面倒。
この場合はGraph Editorの方がやりやすく、一長一短という感じ。私は馴染みのあるGraph Editorの方が使いやすかったです。
まあまだ良く理解しきってないってのもありますが。実際うまい微調整のやり方があるのかどうかは今の所不明。


また、各パーツの動きはProceduralという項目で変化を付ける事が可能。JitterやSmoothの項目をスライドさせて動きをなめらかにしたり、荒くも出来ます。
そもそも目や口と言った顔の細かいパーツは此処でないと動かせません。

例えば目を動かしたかったらキャラクターモデルのFace/Eyes/とかを選択し、Proceduralに出てきたeyes updownなどをドラッグスライドする事で変更が加わります。LRのスライドで変更を片方だけに偏らせる事も出来ます。
ks_sfm9.jpg
声と口元を同期させるリップシンクも意外と簡単。Soundのトラック上で右クリックしてAdd Clip to Trackを選択(どこのトラックに載せなければならないというような決まりはないのでサウンドトラック上なら何処でも良し)、お好みのボイスクリップを読み込みます。
そしてサウンドクリップを選択して右クリックし「Show Waveform」を選択します(これをやっとかないと認識してくれない)。
後はツリー上でリップシンクさせたいキャラのFaceを選択した状態で右クリック、「Extract Phonemes」を選択し、適用させたいボイスを選択してExtractボタンを押せば、リップシンクの完成です。

口の動きが激しいと思ったらSmoothとかを使って微調整すると良し。ちなみにリップシンクした後でボイスクリップの位置を修正したとしても、リップシンクがその位置に追随する事はないのでご注意を。


また体の各パーツを動かした場合、回転ならともかく、普通に移動させると他のパーツが追随しないので、ぐにゃりとひん曲がってしまいます。この場合ばリグを付けて対応します。いわゆるIKですね。
選択したモデルをツリー上で右クリックし、Rigを選択、rig_biped_simpleをクリック。これでモデルの両手両足にIKが適応され、足や手を動かすとちゃんと他パーツは追随して動きます。アニメーションを付ける際はやはりこのモードでないときびしいですね。
ks_sfm5.jpg

また、モデルに元々用意されているシークエンスをインポートする事も可能。右クリックでインポート、シークエンスを選択、リストから任意のモーションを上書き出来ます。


キャラクターに武器や帽子なんかを持たせたりする場合は、Parentして親子関係にしなければなりません。子にしたいモデルのツリーを覗くと左に四角のチェックマークを持つ項目が出てくるハズですが、ここに親にしたいモデルのパーツ部分をドラッグしてきて適応させます。そうするとロックマークがでるハズです。
ks_sfm6.jpg

ただし、モーションが既に付いているキャラにParentしても、その動きに追随しません。この場合は、子の方を選択してProceduralのPlayheadをめいいっぱい適応します。
ちなみに親子関係を切り離すのには鍵のチェックを外した上で、その状態で再びPlayheadを適応すれば良いようです。Motion Editorモードで全選択状態(Ctrl+A)で行えば、全ての動きの追随をリセット出来るでしょう。

また、TF2のキャラは帽子とか眼鏡とか専用の装着アイテムがあり、これらはアイテムとキャラ双方に共通したパラメーターを持っている事により、簡単にフィットさせる事が出来ます。
ks_sfm10.jpg
例えばHeavyと帽子にはそれぞれbodyの所にbip_headというパラメータがあるので、Heavyのbip_headを帽子のbip_headにparentさせてロックします。
そして帽子を選択し、ProceduralのZeroを適用すると、頭にちゃんとフィットしてくれます。
専用の物でなくとも、共通のパラメータないし近いパラメータがあればこのやり方でフィットは可能です。ただし大概は多少ズレてしまうので(専用の物でも変な風にフィットする事がある)、ロックした子のパラメータ部分のみを選択状態でmoveやrotateで微調整すればOKだと思います。

カメラにも同様にこういったモーションを加えられます。その場合はAnimation Set Editorのツリー上に出さなければならないので、左上のプラスアイコンからCreate Animeation Set For New Cameraや、Create Animeation Set(s) For Existing Elament(s)で配置済みのカメラを選択する事で可能になります。

ちなみにCreate Animeation Set For New Particle Systemで、エフェクトを加えられます。リストから選んで好みのエフェクトを追加し、配置します。爆発とか煙とかはここを使ってやってるって事ですね。


タイムライン上のクリップは任意の場所でBを押すことによって分割、Oキーで以降を消去、クリップの端よりちょっとだけ内側の位置でドラッグすると隣のクリップを伸縮することなく伸ばす事が可能。逆に端でドラッグすると全体の長さを変えずにクリップを伸縮させます。
ks_sfm7.jpg

クリップをバシバシBボタンで分割するのは良いですが、それぞれ独立したクリップとなるので、あとでモデルを加えた場合、加えた以降のクリップにはモデルが反映されないので注意です。これを反映させる方法とか、私は良く理解できていません。


また、F11でそのまま読み込んだマップのゲーム画面を呼び出し、キャラクターで移動可能。この機能を利用し、SFM側で録画ボタンを押すとゲーム画面に切り替わり、そのままプレイした動きを取り込むことが出来ます。手っ取り早く動きを加える手段ですね。
しかも何回も重ね撮りして、1人何役も可能です。ただしこの場合、読み込んだマップがアリーナタイプだと観戦モードにしかならないので注意して下さい。



ざっとこんな感じ。これくらいを理解した所で、2、3日試行錯誤して作った動画が以下のもの。スパイのキャラクターを使った、短い寸劇。


まあ最初にしてはそれなりに頑張った方でしょうか。最初っから激しいアクションを作ることなんかムリなので、こういう風に極力動きの少ないストーリーにすれば、割と負担なく作れます。そういうのもコツとしてはありますよね。
まあそれでもかなり苦労しましたけどね・・・。


Hammer Editorで自作マップを作ってそれを読み込み、さらに自作モデルを読み込むことも可能なので、ゆくゆくはそういった所まで出来るようになるのが目標でしょうかね。本当にやるのかどうかは知りませんが(爆)。


パスに沿って歩かせる方法とか無いのかなあ、とかそもそも基本アニメーションとか用意されてないのかなあ、とか色々不満もありますけど、私はかなりハマりました。
初心者には敷居高いでしょうが、フィールドもモデルも用意された状態で始められるのですから、言わばMMDとかに近い物があるわけで、決してプロ専用という物でも無し、トライしてみる価値はあるツールです。





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posted by KS(Koumei Satou) at 22:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | Hammer Editor | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
通りすがりで失礼致します。
IKが使えたのですね。その存在を知らずに二か月程がんばっていたので、記事を読んで失禁しそうになりました。ありがとうございます。
やや関係ありませんが、なぜかhlmvでまともに描画されなかったモデル(自作)が、SFMでは普通に表示されてくれます。このへんの理屈が私にはよく分かりません。
Posted by 私 at 2012年11月20日 00:07
>私さん

どうもです。
記事が少しでもお役に立ったようで何よりです。
私の方も他の事にかかりきりだったため、
最近SFMを触れてないので、まだ色々と分かってない事も多いですね。
SFMはマップエディットやモデリングにも派生していくツールですんで奥が深い分、難易度が高いとも言えます。早く日本語による情報がシェアされてくれるとありがたいですね。

Posted by 佐藤孔盟 at 2012年11月20日 13:44
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