2010年06月07日

Muddasheepの挑戦状

Half-Quake Sunriseがようやくリリースされました。よもすると頓挫したのかと思ってましたが、しっかり作り続けていたんですね。
Half-Quake SunriseはHalf-Quake Amenの続編であり、Half-LifeのMODです。
ソースエンジンベースで作るのかどうなのか気になる所でしたが、どうやら結局はHL1ベースで作った模様。久々にHL1をプレイする事になりましたね。
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前作Half-Quake Amenは独特なデザインセンスとモノクロ調の世界観、そしてなにより究極なまでにサディスティックなゲームプレイで賛否両論を呼んだMODゲームです。
不親切な構造、即死系トラップの応酬、理不尽なゲームプレイと、おおよそ思いつく限りの、ありとあらゆるプレイヤーに対しての意地悪が盛り込まれたゲームでした。
しかしながら独特なデザインセンスと、中々に凝った内容に私は非常に感銘を覚えました。元々こういう色彩を抑えたデザインというのが好きで、先にやられてしまったなという感もあったのですが、
なによりその使い方がうまく、非常にアーティステックでかつ、個性溢れる内容に嫉妬すら感じました(笑)。
このゲームはゲーマーには途方もない悪夢を与える物でしかないですが、同じような創作者という立場の人間に対してはこれでもかと言わんばかりのカルチャーショックと刺激を与える物となっている点で、私は異色のMODとして高く評価しています。


そんな異色のMODが満を持しての続編、Sunriseです。今回もやってる事は前作と潔いくらいに全く変わっていません。モノクロの不思議なデザイン、意地悪なゲームプレイ、次々と降り掛かってくる無理難題トラップの応酬。
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ただ、前作が薬でもやりながらヘロヘロの状態のまま勢いで作ったんじゃないかとさえ疑うような、悪夢の世界を彷徨うとりとめもない不条理空間だったのに対し、今回はどこかの巨大な地下施設のような所を脱出するような世界観になっていて、かなり全体的なトーンやデザインが統一されてくっきりと雰囲気がつかみやすくなっている印象を受けました。冷静に狂気を描いたような、そんな感じ。石造りの空間に作られた、人を窮地に追い込むトラップマシーンルームの数々。
要するに非常に作り込みが洗練されて来ており、作者のMuddasheep氏の中で明確な世界観がキチンと出来上がっていると言えるのではないでしょうか。
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プレーヤーはまず、死ぬ準備は出来ているか?とプレイ前に聞かれるので、いいえを選択するとチュートリアルルームをプレイ出来るようになってます。意外と親切(笑)。まあ最終的には殺されてしまうけど。
解像度がかなり低く設定されてますが、これ以上大きくしてもメニューのレイアウトが崩れるだけですし、オススメしません。この大きさでデザインを想定し作られているようですしね。(もうHL自体が古いゲームですからね)

ゲームを始めると、終始インターフェイスも出ず、武器も貰えません。これは前作とほぼ同じで、体力が幾らあるかとかは関係ないからです。死ぬときは一発即死なので。そして今回は武器を使った戦闘は殆ど皆無です。(私が現在プレイしているチャプター7の段階までは少なくとも)
ゲームはあくまでジャンプアクションを駆使したコントロールによるプレイと、パズルを解いていくというこの2点に集約されています。

FPSゲームにおいて、マリオのようなジャンプアクションを取り入れる事は御法度とされる事が多いです。何故ならプレーヤーはそういうのを嫌うからです。しかし、Half-Quakeシリーズはその嫌われる要素がメインになってるんですね。理由は間違いなく、プレーヤーに対してとことん意地悪だから。ここがなんと言っても賛否両論の元だといっても過言ではないですが(シューターの要素が皆無ですからね)、その代わり、非常にヒネられたトラップの数々やパズルが脳を刺激し、中々興味深いアトラクション体験をさせてくれるという側面も多分にあると思っています。
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まあ、そうはいっても容赦ないトラップの応酬なのは変わらず、要所要所で挫折するプレーヤーが続出する事でしょう。強制スクロール中でのジャンプコントロールや、ヒントが極めて少ない直感が物を言うパズル、私も途中で何度もめげそうになりました。今のところまだ先に進む気力は残っていますが、いやはやこの先どうなることやら。


ちなみに、ここのシーンは流石の私も本気で挫折しそうになったポイント。ものすごい超絶テクニックでしゃがみジャンプを3連続で決めなきゃならず、こんなの無理だろ、と思ったんですが、ある事に気付いた時点で何とかクリア出来ました。
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ここのシーンでも明らかなんですが、やはり彼の意地悪さというか、デザインの構築の仕方というか、プレーヤーの翻弄のさせ方を熟知しているなあ、という感じがします。つまり、できの悪いデザインという事ではなく、ちゃんと作れるのに分かってそういう事をやっている、という事なのです。


まだ途中までのプレイですが、今のところトラップルームをクリアしては次のトラップルームへ・・・という展開を延々繰り返している状態なのでやや単調な感も受けますが、まあそれでもちゃんと世界観を崩さないような演出が要所にあったりするので作りはなんともこなれた物です。
何にしてもこのシリーズはシュールで独特な空間を堪能するのが吉。デザインセンスは明らかに前作より巧妙になっており、音楽やSEに対しても並々ならぬこだわりを見て取れます。機械の動作音ひとつを取ってみても、まるで音楽を奏でているかのようにリズミカルなビートを刻んでおり、異空間を見事に演出していると思います。
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正直誰でも薦められるようなゲームでは無いです、ハッキリ言って。理不尽トラップの応酬をブラックジョークと受け止め、爆笑できるような余裕が無いとやってられません(笑)。この一風変わった独特の世界観に全くピンと来ないようなら無理してプレイする事はないです。地獄をみるだけですので。
でも、ゲームデザインとは何か、ゲームに対して何処に面白さを感じるのか、どんな可能性があるのかを深く熟考したいというのなら、この地獄のツアーに参加してみるのも一興です。唯一無二の世界が確実にあるので。デビッド・リンチのような異空間の雰囲気が好きなら気に入るかもしれません。ただしかなりの覚悟が必要です。

Half-Lifeフォルダ直下にhquake3フォルダを置けば、Steam上ならば謎の記号が出てくると思います。


これをプレイしてると映画「CUBE」を連想したのですが、そういえばこのHalf-Quakeシリーズを作るキッカケとなったのがこの映画から得たインスピレーションだったというのを思い出しました。基本的なコンセプトは今も変わっていないと言う事なのでしょう。
ks_hlqsunrise8.jpg

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posted by KS(Koumei Satou) at 02:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | PCゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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